全日本ラリー選手権第2戦新城ラリーに、GRヤリス2台体制で参戦したTOYOTA GAZOO Racing。GRヤリスのステアリングを握るクルーは、既報のとおり勝田範彦/木村裕介、眞貝知志/安藤裕一だ。しかし初陣では、初日に2台そろってリタイアという結果となり、その実力発揮は次戦以降にもちこされることとなった。
以下チームリリース
3月20日(土・祝)〜21日(日)にかけて、愛知県・新城市を拠点に2021年全日本ラリー選手権(JRC)第2戦「新城ラリー2021 Supported by AICELLO」が行われ、TOYOTA GAZOO Racingからは勝田範彦/木村裕介組と眞貝知志/安藤裕一組が参戦しました。GR YARIS GR4 Rallyでの初の実戦となった今回、チーム一丸となって準備をしてきましたが、残念ながら両車とも車両トラブルに見舞われリタイアとなりました。
モータースポーツの厳しい環境の下で「人を鍛え、クルマを鍛える」ことを目的として、2015年から全日本ラリー選手権に参戦するTOYOTA GAZOO Racing。2021年からは、GRヤリスをベース車両とする「GR YARIS GR4 Rally」を投入し、最上位カテゴリーであるJN1クラスへの挑戦をスタートしました。
7年目のシーズンを迎え、チームは初めて参戦体制を2台に拡大。1台目のドライバーを全日本選手権で8度の王座を誇る勝田範彦選手、コ・ドライバーを木村裕介選手とし、2台目は前年度に引き続きドライバーを眞貝知志選手、コ・ドライバーを安藤裕一選手が務めます。
例年は様々なイベントで賑わう新城ラリーも、新型コロナウイルス禍により昨年に続き無観客で行われることが決まりました。チームは昨年の最終戦唐津で、0カー/00カーとして「GR YARIS GR4 Rally」を走行させ、加えて開幕戦に向けたテストも実施。そこで発見された課題をクリアしたうえで、ホームイベントでもある新城ラリーに挑みました。ところが、スタート直後のSS1で勝田選手がストップ。さらにSS2を終えた段階でクラス6番手につけていた眞貝選手もトラブルでラリー続行を断念することになりました。
チームは現在、データの解析と原因の究明に全力で対応しており、今回の経験をもっといいクルマづくりに繋げられるよう、次戦に向けて準備をしてまいります。
■豊岡悟志(チーム監督)
「まずは4人のクルーに大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。又、スポンサー様やGRヤリスのオーナー様、楽しみにしていただいていたファンの皆様にも残念な結果となり、申し訳ありません。決して順風満帆にいくとは思っていませんでしたが、あまりにも厳しい現実に「自分達は全然甘い。これが自分達の今の立ち位置」と真摯に受け止めます。トラブルの原因を究明し、ドライバーに戦ってもらえるクルマを次戦に向け全力で準備します。2度と忘れることの出来ないこの悔しさをバネに、次に向けて進んでいきます」
■勝田範彦(ドライバー)
「チーム全員がGR YARIS GR4 Rallyを良くしようと、ずっと頑張ってきたのですが、残念な結果となりました。これが初戦の怖いところでもあります。今後は上がっていくばかりですから、楽しみにしていただきたいですね。もし初戦でいきなり好結果が出ていたとしたら、そこに安心してしまっていたかもしれません。長い視点で見れば、この悔しさがきっと好結果につながるはずです。次戦は自分の得意なラリーですので優勝を狙っていきます」
■眞貝知志(ドライバー)
「起きてしまったことは残念ですが、実戦だからこそ起こり得るトラブルから学びを得て、クルマを鍛えるための有意義な経験にしていきたいです。走ることができたSSでは、良い手応えを得ることができました。私自身もまだ改善すべき部分がありますし、クルマにも伸びしろがあると感じました。今後シーズンが進むにつれ、ファンの皆さんとともにGRヤリスが成長する様子を目の当たりにできると、前向きな予感がしています」
■宮本昌司(チーフメカニック)
「トラブルはありましたが、短い距離のなかでも、ドライバーからは貴重なフィードバックがありました。まずは今回の問題を解決して、改善を続けていくしかないと考えています。今年新たに加わったスタッフは、ルーティンワークから少しずつ整備作業に慣れていく計画でしたが、車両の回収など想定外の事態を経験することになりました。臨機応変な対応はラリーメカニックとして今後に活きる経験となったはずです。まずは地に足をつけて、次戦に向けてきちんと走り切れるクルマを用意することが目標です」
■土井崇司(GRプロジェクト推進部)
「クルーの方には大変悔しいラリーになり、申し訳なく思っています。リタイアはエンジントラブルと思われますが、詳細要因解析を急ぎ進めている状況です。我々は『もっといいクルマ』を作るという目標を掲げてGRヤリスの開発を続けてきました。実戦を走ると、テストでは起こらない事態が発生します。それこそがラリーに参戦する意義だと考えます。今回起きたことを真摯に受け止め、今後に活かしたいと考えています」