米国の国内ラリー選手権、アメリカン・ラリー・アソシエーション(ARA)は第2戦100エーカーウッドラリー(グラベル)が3月19‐20日、ミズーリ州で開催され、スバル・モータースポーツUSAのトラビス・パストラーナ(スバルWRX STI)が優勝した。長年のライバルであるケン・ブロックや、昨年の同イベントの覇者バリー・マッケンナを退けたパストラーナは、開幕戦のスノードリフトに続いて2連勝。チームメイトのブランドン・セメナックは4位でのフィニッシュとなったが、ドライバーズ選手権では首位のパストラーナに続く2番手を維持している。
100エーカーウッドラリーは、ARAカレンダーの中でも速度域が高く、天候や路面コンディションが変わりやすいこと、そしてカトルガード(牛脱出防止柵)ジャンプで知られている。2021年の大会は多くのエントリーを集め、開幕前には雨が降ったために滑りやすい路面になり、巨大な川渡りが出現するなど全14SSはドラマの連続となった。
パストラーナは序盤から首位争いを展開し、デイ1に設定された6SS中、2本でステージウインを奪取すると、マッケンナに続いての2番手につけた。セメナックは序盤はペースに乗るまでに苦戦したが、2ループ目からリズムをつかみ、ブロックをかわして3番手に浮上した。
しかし土曜日のデイ2はラフなコンディションがさらにひどくなり、セメナックはSS8のウォータースプラッシュでラジエターファンを破損し、ブロックに3番手の座を明けわたす。一方、首位につけていたマッケンナはSS9でタイヤのトラブルに見舞われ、これでパストラーナが首位に浮上。ラリーが進むにつれてコンディションはいっそうラフになっていったが、パストラーナは慎重なアプローチで残りの2ループで首位を守り切り、ブロックに29秒差をつけての優勝を飾った。セメナックはSS11までは3番手を死守したが、最終的にマッケンナからの猛追にあい2戦連続のポディウムを逃したが、貴重な選手権ポイントを獲得した。
「2戦で2勝、まさに自分たちが望んでいた展開だよ!」とパストラーナ。
「100エーカーウッドはいつも、路面コンディションがタフ。ほかのチームがトラブルに遭うなど、リアノン(・ゲルソミーノ、コ・ドライバー)と自分は運もよかったが、自分たちもデイ1は超高速のステージを全開で攻めて好ポジションにつけて、アドバンテージを築いた。最終日の2ループは本当にラフだったので、マシンを守りフィニッシュすることに専念した」
スバル・モータースポーツUSAの次のARA参戦は、4月24〜25日、ワシントン州で開催されるオリンパスラリーとなる。
ARA100エーカーウッドラリー 最終結果
1 T.パストラーナ(スバルWRX STI) 1:23:07.6
2 K.ブロック(シュコダ・ファビア・ラリー5+) +29.0
3 B.マッケンナ(フォード) +1:14.1
4 B.セメナック(スバルWRX STI) +1:38.5
5 J.シーホーン(スバルWRX STI) +8:23.8