WRCがハイブリッド時代に突入する2022年からも、3年間の参戦確約を発表したヒュンダイ。現在、ヒュンダイi20 Nをベースに、ハイブリッド方式を採用する2022年からの最高峰カテゴリーマシン、ラリー1車両を開発中だ。
WRCでは2019年からマニュファクチャラーズ選手権を連覇し、今季はWRC参戦8シーズン目を迎えているヒュンダイは、FIAやWRCプロモーターが掲げる選手権の今後の方向性を、ハイパフォーマンスと持続可能性を裏付ける場としてモータースポーツの有用性を強化するとして支持している。
新しいレギュレーション下において、ヒュンダイ・モータースポーツは新しいテクニカル面でのエキサイティングな試練に挑むことになる一方で、ヒュンダイ本社のパイオニア精神、確信、将来のモビリティにおけるリーダーシップの価値観を反映していると捉えている。
2012年末に ヒュンダイ・モータースポーツが立ち上がって以来、ラリーとレースはヒュンダイにとってパフォーマンスの柱となってきた。ドイツのアルゼナウにあるヒュンダイ・モータースポーツの知識とヒュンダイNブランドは、すでにWRCやWTCRで数々の成功を収めている。
コンマ秒差が重要となる高性能技術の戦いのなかで、ヒュンダイは新しい技術を評価し、量産車の開発につなげることができるとしている。
チーム代表のアンドレア・アダモは「ヒュンダイ・モータースポーツは、現在そして将来の自動車技術を示すための信頼できるプラットフォームを提供することで、ヒュンダイ本社が掲げるグローバルな目標を支援するために存在している」と語る。
「レースやラリーを通じて、我々は将来のヒュンダイの量産車の開発に影響を与え、方向性を示すことができる。このことは実に光栄なことであり、我々が真摯に取り組んでいる役目でもある。だからこそ、我々はFIAやWRCプロモーターが掲げる2022年からの新しいハイブリッド規定に代表される将来の方向性を喜んで支持する。我々は、これまでWRCで成功を収めた経験からインスパイアを受けたヒュンダイi20 Nをベースにマシンを開発する。マニュファクチャラーズ選手権2連覇王者として、我々は新しいチャレンジに喜んで挑み、この新しい時代にヒュンダイの旗を掲げることを楽しみしている」
ヒュンダイ自動車の副社長兼Nブランドマネジメント&モータースポーツ副部門の長、ティル・バルテンベルクは「モータースポーツは、ヒュンダイの将来のモビリティのモデルや技術にとって、非常に価値のあるテストの場であり続けている」とコメント。
「より持続可能なソリューションを採用することは、我々にとって不可欠なことなので、WRCが新しいハイブリッド規定を採用することで新しい方向へと動いていくことは、我々の量産車技術にも関連するので、とても喜ばしいことだ。我々はこの挑戦を楽しんでいくし、経験豊富でスキルのあるヒュンダイ・モータースポーツが、この数年間に積み上げてきたタイトルを防衛し、ラリーに勝ち続ける勢いを保つために全力を尽くすことをしっかりと理解している。モータースポーツ活動でのポジティブなインパクトが、我々のハイパフォーマンスブランドである『N』と、親ブランドのヒュンダイの価値を下げることにはなろうはずがない。ヒュンダイの自動車をドライブすることへの純粋な情熱と楽しさを披露しながら、我々が将来の技術を開発することができるという、理想的なプラットフォームだ。今年の後半からピュアETCRに参戦するベロスターN ETCRとハイブリッドのWRCマシンは、ヒュンダイi20 Nがベースとなるが、我々は、最先端の技術とモータースポーツのより持続可能なソリューションを組み合わせる方法を示すことに取り組んでいる」