奴田原文雄が、全日本ラリー選手権第3戦「ツール・ド・九州2021 in 唐津」から、新たに「NUTAHARA Rally team」を立ち上げ、トヨタGRヤリスで参戦する。
2020年をもって、奴田原の三菱ランサーエボリューションⅩのプレパレーションを行なっていたタスカ・エンジニアリングが活動を終了。これを受けて、オフィス・ヌタハラが運営し、KTMS(KOBE TOYOPET MOTOR SPORTS)の協力のもと、車両製作ならびにメンテナンスはRUTS RACING(代表 山田淳一)が行う、NUTAHARA Rally teamを結成した。
新たに製作されたGRヤリスは、伝統のADVANカラーをまとい、全日本ラリー選手権のトップカテゴリー「JN1クラス」を戦う。 コ・ドライバーは、奴田原が主宰する「NUTAHARA Rally School」の卒業生である東駿吾を起用する。
実質的な開幕ラウンドである新城をスキップし、唐津からシーズンをスタートする奴田原は、笑顔で参戦に至った経緯を明かしてくれた。
「まずは今年もラリーを戦えて良かった……というのが正直な気持ちです。タスカが活動を終了したことで、ラリーを続けられない可能性もありましたから。あらためて、ご協力頂いた皆さんに感謝しています。自分自身としてもベストタイムを獲れるうちはやめたくないと思っていました。新しいクルマになることだし、山田メカニックとも話して『やってみるか』となったんです」
GRヤリスは10日前にシェイクダウンを終えたばかり。短い距離だったが、手応えを感じたという。
「シェイクダウンではダンパーのセッティングがメインでした。これまでのランサーと、やるべきことは変わりません。足まわりのフィーリングは悪くなないですし、うまくまとまっている感じですね。変更箇所はドグミッションを入れたくらいです。現状のなかでやるべきことをやってきましたし、とりあえずは実戦を走ってからですね」
「これからMOTECを入れたり、エンジンを改良していくことになるでしょう。エンジンはノーマルだし、2リッターに比べるとちょっとパンチに欠けているかな。現状、トップで戦えるのかは分かりませんが、とにかく軽さはメリットになると思います」
「タイヤはランサーと一緒です。その辺りの経験を、GRヤリスでも活かしていけるでしょう。ランサーと比べるとフロントが減る印象ですね。とはいえ、ランサーは出来上がったクルマでしたし、この段階では十分に可能性を感じています。ただ、長い距離を走ってきてないので、そこは心配ではあります」
「コ・ドライバーの東選手とは今回が初の実戦になりますが、レッキも問題なく進められています。まだ経験が少ないので、突発的な事態でどうなるかですね。今のところは100点です。今回のラリーはしっかり走り切って、現状のスピードを把握したいです。やるべきことがたくさんありますし、ポテンシャルは感じています。これから、WRX STIのレベルには十分いけると思っています」