WRC第3戦ラリークロアチア(ターマック)、激戦のWRC2は、アップデート版のシトロエンC3ラリー2で今季WRC初参戦に挑んだ昨年王者のマッズ・オストベルグが制した。
オストベルグは、初日からニコライ・グリアジン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)にリードを築いたが、土曜日は何度も首位が入れ替わる激戦に。しかし、グリアジンが午後最初のステージでパワーステアリングのトラブルに見舞われると、オストベルグはここで2番手に浮上したテーム・スニネン(フォード・フィエスタ・ラリー2)に対し50秒以上のギャップを手に入れた。一方のグリアジンはその後はさらに流れが悪化し、日曜日の2本目で転倒し、道を塞ぐ形でストップ。リタイアとなってしまった。
今季初のWRCの最終日、オストベルグに求められたのは、最終ステージを慎重なアプローチでクリアすること。しかし、自分自身もC3ラリー2のブレーキにトラブルを抱えこのステージは4番手に終わったが、クラストップは死守して今季初優勝を飾った。
「また選手権に戻れてうれしいし、競技に参加している気分は最高だね」とオストベルグ。
「自分たちはいいスピードを出すことに専念したが、それが結果につながった。この過酷なコンディションのなかでも、マシンのパフォーマンスはとても良かった。このラリーでは自分たちの経験を活かそうと努めたが、まったく違うラリーだった。何もかもが新しかったので、走るほど学ぶことも増えた。幸い、ハンガリー選手権でドライブできることになり走れる時間も増えたし、ターマックでの経験を思い出すためにシトロエン・レーシングでのテストも予定している」
一方、金曜日の朝にバンクにスタックして1分半のタイムロスを喫していたスニネンは、その後挽回に挑み、3本のステージウインを獲得したほか、このパワーステージを2番手でフィニッシュしたが、オストベルグには届かず、2位でフィニッシュした。スニネンは、次戦ポルトガルではWRカーで参戦する予定となっている。
3位にはスニネンから1分34秒2遅れで、ボリビアのマルコ・ブラシア(ファビア・ラリー2 Evo)が食い込み、4位にはイタリアのエンリコ・ブラゾッリ(ファビア・ラリー2)が入った。
選手権リーダーのアンドレアス・ミケルセン(ファビア・ラリー2 Evo)は初日からリヤのコントロールアームを破損。これで大量にタイムロスを喫しクラス5位でのフィニッシュに終わったが、選手権争いでは首位を死守した。
WRCクロアチア WRC2最終結果
1 M.オストベルグ(シトロエンC3ラリー2) 3:01:23.7
2 T.スニネン(フォード・フィエスタ・ラリー2) +28.5
3 M.ブラシア(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +2:02.7
4 E.ブラゾッリ(シュコダ・ファビア・ラリー2) +29:10.3
5 A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +39:42.2