今季、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムでWRCフル参戦に挑んでいる勝田貴元。先日のWRCクロアチアでは総合6位でのフィニッシュを果たしたほか、土曜日にはベストタイムを2回マークするなどの活躍を見せた。勝田とコ・ドライバーのダニエル・バリットは、今季のWRCここまでの3戦をすべて6位でフィニッシュしドライバーズ選手権では7番手につけているなど、順調にシーズンをスタートしたと言えそうだ。そんな勝田が、シーズンの後半にはポディウムも狙っているとwrc.comのインタビューで語った。
2回のベストタイムはいずれも、20.77kmのStojdraga – Gornja Vas(SS10/SS14)でマークしたもの。
「なぜあのステージで自分がそれほど速かったのかはよく分かりませんが、少なくとも危ない場面は何もありませんでした。リスクは一切負わなかったですし、リズムがとにかく良くて、ペースノートを躊躇なく100%信じることができました」と勝田。
「かなりいい形でシーズンをスタートできましたが、もちろん学んだり改善しなくてはならないことはまだまだたくさんあります。今回のことは、なぜ自分が速かったのかを考えるヒントを与えてくれる。本当にポジティブなことだととらえています」
「これまでは、いつも自分がなぜタイムをロスしているのか、どのような場所でロスしているのかを気にしてきましたが、今はなぜ自分が速かったのかを比較し、その要因をエンジニアと模索することができるようになりました」
勝田は、2019年のラリードイツでWRカーデビュー。WRCに挑戦する前には、トミ・マキネンの指導のもと、フィンランドやヨーロッパ各国の国内選手権で修業を積んできた。こうしたトレーニング初期での経験を活かし、より馴染みのある高速グラベルのフィンランドやエストニアでは、自身初となるWRCのポディウムに上がることにも挑みたいと考えているようだ。
「今シーズンのどこか、特に自分が自信を持っているフィンランドかエストニアのようなラリーでは、ポディウムフィニッシュを目指して全開で挑んでみたいと考えています。浮き沈みはかなりありましたが、ラリーを重ねるごとにそれが小さくなっていることを実感しています。正しい方向に進んでいることは間違いないのですが、大きなクラッシュをしてしまえば、あっという間に自信を失ってしまう。だから自分のするべきことに専念して、一歩一歩着実に自分のレベルを上げていかなくてはならないと思っています」とも勝田はまとめている。