現在32歳になるトヨタのエルフィン・エバンスは独自の取材に対し、ポルトガル(5月20〜23日)とサルディニア(6月3〜6日)というWRC連戦を控えた今の段階で、2年を過ごしたトヨタを離れることは自分の考えのなかにはないと語った。
「今の自分にはとても満足しているし、チームも本当に素晴らしい。でも、このゲーム(ストーブリーグ)では何が起こるか分からない」とエバンス。
「今は、これから連戦を迎えるので、そのことにしっかり専念するように努めている。2戦の間は時間がないので、できる限り準備を整えておかなくてはならない。正直、来年のことに関しては、今はそれほど気にしていない」
「来季は新しい規定になるので、たぶん例年よりも少し早めに(契約案件が)落ち着いた方が、みんなにとってもいいのかもしれない。でも、今はそれほど話し合いは行ってはいない。自分が全体を評価できるような時間ができたら、そのことについてもっと考えるようになるかな。合理的なのは、現在のチームに残って一緒にマシンを開発することだと思う」
トヨタのチーム代表ヤリ−マティ・ラトバラは、WRC初のハイブリッドシステムを導入するラリー1規定と、現在行っている2022年型トヨタ・ヤリスのテストのためには、エルフィン・エバンスのチーム残留がより重要になると考えているようだ。
「エルフィンの経験は豊富だし、彼のステップアップしていける能力はとても有望」とラトバラは独自の取材に答えた。
「前戦のクロアチアでは、セバスチャン(オジエ)と優勝争いを展開した。彼は成長を続けているし、昨年はすでにチャンピオンにも手がかかっていたのだから、(エバンスをチームに残したいと思うのは)間違いない、もちろんだよ」
「ハイブリッドマシンの開発を経験したドライバーに来年のラリーも戦ってほしいと思うのも、当然だ」
ティエリー・ヌービルとオィット・タナックとの契約更新を発表したヒュンダイは、若手のオリバー・ソルベルグも来季の契約候補に入れていると見られ、チームのシートは事実上埋まったといえる。クレイグ・ブリーンとダニ・ソルドに関しても、チームは非常に信頼を寄せていることから、エバンスにとって来季の選択肢はトヨタ残留かMスポーツへの復帰となる。
(Graham Lister)