WRC第4戦ポルトガルは、競技初日を終えてヒュンダイのオィット・タナックが総合首位。2番手にはトヨタのエルフィン・エバンス、3番手にヒュンダイのダニ・ソルド、そして4番手にトヨタの勝田貴元が続く展開となっている。
ラリー初日はSS1〜8まで、サービスを挟まず走る122.88km。SS1〜SS6は3SSを2度ずつ走行し、SS7モルタグア、SS8ロウサダという構成。SS8のロウサダはターマックとグラベルが交互に現れる、2台同時走行のスーパースペシャルステージを2周して戦われる。
最初のセクションでは、ワールドラリーカーのドライバーたちは全車がソフトコンパウンド4本+ハードコンパウンド1本というタイヤの組み合わせでスタート。12.35kmのSS1ではタナックがベストタイム、2番手にはソルド、3番手にティエリー・ヌービルと、ヒュンダイ勢が上位を占めるかたちでラリーは開幕した。ヌービルと同タイムの3番手にはMスポーツ・フォードのガス・グリーンスミスが食い込み、エバンスを筆頭とするトヨタ勢は5〜8番手で続く。
SS2、SS3でもヒュンダイ勢の優位は続き、後方の出走順を活かしたソルドが2連続ベストタイムをマーク。ソルドはSS2を終えた段階で総合首位に立ち、タナックとヌービルを従えてリードを築いていく。SS2ではヒュンダイ2Cのピエール・ルイ・ルーベがコースアウト、SS3ではグリーンスミスが左リヤタイヤをパンクさせてしまい、大きくタイムロスを喫している。グリーンスミスはこのパンクにより、左リヤフェンダーも失ったが走行を続けている。
セクション2では、Mスポーツ・フォードの2台がハード5本、それ以外はハード4本+ソフト2本という、ハード寄りのタイヤチョイスとなった。SS1の再走ステージとなるSS4では、トヨタのロバンペラが一矢報いるベストタイム。グリーンスミスもSS2番手タイムと気を吐いてみせた。しかし続くSS5ではソルド、SS6はタナックがベストタイムをマークするなど、ヒュンダイ勢は徐々にリードを拡大していく。SS6を終えた段階でトップ3はソルド、ヌービル、タナックの順だ。それを追うトヨタ勢は、首位ソルドから21秒差の4番手にエバンス、背後に勝田、ロバンペラ、オジエが続いている。
ヒュンダイ勢の優位が崩れたのは、続くSS7。ここでは総合2番手につけていたヌービルが、左コーナーでアウトに膨らみバンクに接触してしまう。ヌービルは横転を喫し、さらに右リヤサスペンションに大きなダメージ。SSを走り切り、ロードセクションでの修理を試みたが、ラリー続行を諦めることとなった。また、首位に立っていたソルドもヘアピンでのエンジンストールやタイヤの摩耗に苦しめられて大きくタイムロス。このSSでベストタイムをマークしたオジエから21.3秒遅れるSS8番手タイムとなり、総合3番手に順位を落としている。また、このSS7ではエバンスがヌービルの背後でスロー走行を強いられ、40秒ほどをロス。エバンスにはノーショナルタイムが与えられ、総合2番手につけることとなった。
この日の最後となるSS8は、2台同時走行のスーパーSS。ここではタナックが一番時計をたたき出し、首位の座をキープした。SS2番手タイムはオジエ、SS3番手にグリーンスミスが続く。この結果、首位タナック、総合2番手にエバンス、総合3番手ソルドという順位は変わらず。勝田はSS2、SS5、SS7で4番手タイムをマークするなど、リスクを避けつつ上位にしっかりと食らいつく走りを見せており、総合4位でこの日を終えた。
競技2日目はSS9〜15の7SS、165.16kmを走る山場の1日。3SSを2度走行し、最後はポルトの市街地ステージを走る構成となっている。なかでもSS11/14アマランテは37.92kmとラリー最長距離を誇る難関ステージと言えるだろう。オープニングステージのSS9は22日の日本時間16時08分スタート。
WRCポルトガル SS8後暫定結果
1. O.タナック(ヒュンダイi20クーペWRC) 1:22:35.0
2. E.エバンス(トヨタ・ヤリスWRC) +6.0
3. D.ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC) +9.0
4. 勝田貴元(トヨタ・ヤリスWRC) +15.4
5. S.オジエ(トヨタ・ヤリスWRC) +24.0
6. K.ロバンペラ(トヨタ・ヤリスWRC) +28.9
7. G.グリーンスミス(フォード・フィエスタWRC) +1:02.3
8. A.フルモー(フォード・フィエスタWRC) +1:33.5
9. E.ラッピ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +3:34.9
10. N.グリアジン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +3:37.1