2021年WRCは、第5戦ラリーイタリア・サルディニア(6月3〜6日)でグラベル連戦2戦目を迎える。
昨年は新型コロナウイルスの感染流行により、10月に開催されたイタリアラウンドだったが、今年は例年行われていた6月に会期が戻った。また本拠地、サービスパークも、7年間設置されたアルゲーロから、選手権に加わった当時のオルビアに戻っている。しかし、このサルディニア島で待つ試練が厳しいことに変わりはなく、高速だがナローなステージには、石や茂みが並ぶ。気温の点でも、シーズン屈指の酷暑イベントだ。
トヨタは、前戦ポルトガルでエルフィン・エバンスが優勝、セバスチャン・オジエが3位でフィニッシュ。そのオジエとエバンスがドライバーズ選手権でもトップ2に立っており、その差もわずか2ポイントだ。ここ2戦足踏みをしてしまっているカッレ・ロバンペラは勢いを取り戻すことを目指す。堅調なペースを見せている勝田貴元はポルトガルで自己ベストの総合4位をマークしてサルディニアを迎える。
一方、ポルトガルはヒュンダイにとっては厳しい結末となり、ティエリー・ヌービルとオィット・タナックがポイント圏外でのフィニッシュとなってしまった。ポルトガルを2位でフィニッシュしたダニ・ソルドは、今回のサルディニアではイベント3連覇がかかっている。
Mスポーツ・フォードは、フル参戦のガス・グリーンスミスに加え、サルディニアにはテーム・スニネンをフォード・フィエスタWRCのドライバーに起用。ピエール・ルイ・ルーベは、ヒュンダイ2Cコンペティションからヒュンダイi20クーペWRCでエントリーする。
新型コロナウイルスに感染したためにポルトガル欠場を余儀なくされたアンドレアス・ミケルセンは、WRC2部門首位の座を守ったままサルディニアで戦線復帰。トク・スポーツのシュコダ・ファビア・ラリー2 Evoを駆る。チームメイトのマルコ・ブラシア、TRTからシトロエンC3ラリー2を駆るマッズ・オストベルグもエントリーリストに名を連ねる。2戦連続でWRカーで参戦を経験したアドリアン・フルモーは、サルディニアではスニネンと交代してWRC2部門に参戦。Mスポーツ・フォードのフォード・フィエスタ・ラリー2 MkIIを駆る。さらにWRC2には、モビスポーツからニコライ・グリアジンに加え、イタリアの人気ドライバー、エンリコ・ブラゾッリが登場。それぞれフォルクスワーゲン・ポロGTI R5、ファビア・ラリー2を駆る。米国のシーン・ジョンストンは、サンロック・ジュニアチームからC3ラリー2で再び参戦。元WRCドライバーのマルティン・プロコップ(フィエスタ・ラリー2 MkII)、エストニアのゲオルグ・リンナマエ(ポロGTI R5)はALMモータースポーツからエントリーする。
WRC3選手権には16台がエントリーし、ランキングのトップ3、ヨアン・ロッセル、カエタン・カエタノビッチ、ニコラ・シャミンが火花を散らす。カエタノビッチは、クロアチア、ポルトガルとここ2戦で連勝を飾るなど好調だ。
■ラリールート
木曜日午前にシェイクダウンを行った後、ラリーは夕方にアルゲーロでセレモニアルスタートが行われ、金曜日から競技が開始。サルディニア北部の、イベントおなじみのステージが設定される。Filigosu – Sa Conchedda と Terranovaは午前中に2回ずつ走行した後、オルビアでサービス。午後は、Tempio Pausania と Erula – Tulaを2ループする。土曜日も、サルディニア伝統のコースが登場。午前中はCoiluna – Loelle と Lernoを2回ずつ走行する構成。午後は、2005年以来の登場となるBortigiadas – Aggius – Viddalba と Sedini – Castelsardoを2ループする。日曜日は島の最北部に進出。2009年以来の設定となるArzachena – Braniatogghiuと、新設ステージのAglientu – Santa Teresaを2回ずつ走行。Aglientu – Santa Teresaのリピートステージは、パワーステージに指定されている。
■ラリーデータ
開催日:2021年6月3-6日
サービスパーク設置場所:オルビア
総走行距離:1299.02km
総ステージ走行距離:303.10km(SS比率23.33%)
総SS数:20
■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
セバスチャン・オジエ (#1)
エルフィン・エバンス (#33)
カッレ・ロバンペラ (#69)
[ヒュンダイ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル (#11)
オィット・タナック (#8)
ダニ・ソルド (#6)
[Mスポーツ・フォードWRT]
ガス・グリーンスミス (#44)
テーム・スニネン (#3)