6月4日(金)、WRC第5戦サルディニアはオルビアのサービスパークを中心に8本のステージが行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシアが総合3番手に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティンが総合4番手につけた。なお、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンは総合2番手を走行していたが、SS4でデイリタイアを喫している。
(以下チームリリース)
昨年のラリー・イタリア サルディニアは、新型コロナウィルスの影響により、本来予定していた6月から延期され、10月に行なわれました。それから約8ヶ月、今年はスケジュール通り6月の開催となり、以前ホストタウンを務めていたオルビアにサービスパークを移転。競技初日のデイ1は、8本計127.40kmのステージが、サービスパークの南側から西側にかけてのエリアで行なわれました。
デイ1は好天に恵まれ、気温もかなり上昇。ステージはドライコンディションとなり、ドライバー選手権のリーダーとして出走順1番手で初日のステージに臨んだオジエにとっては、不利な路面コンディションとなりました。サルディニアのステージの多くは、道の表面が目の細かい砂利や砂に覆われており、ドライコンディションでは非常に滑りやすくなります。特に、その砂利や砂を掃き飛ばしながら走行する1番手スタートのドライバーは、通常かなり大きなタイムロスを余儀なくされます。しかしオジエは、1日を通して出走順の不利をあまり感じさせない好走を続け、8本のステージのうち5本で3番手以内のタイムを記録。一時は総合2位につけました。最終的には総合2位と16.8秒差の総合3位で1日を終え、明日のデイ2は比較的遅めの出走順となることから、さらなる上位を狙います。
オジエに次ぐ2番手スタートとなった、ドライバー選手権2位のエバンスもまた、後続のライバルよりも滑りやすい路面での走行を強いられました。午前中のステージでは、チームメイトに比べるとクルマに対するフィーリングがそれほど良くなく、タイムも思うように伸びませんでしたが、午後は状況が好転。オジエと25.8秒差、総合5位の選手と1.2秒差の総合4位でデイ1を走りきりました。なお、ロバンペラは午前中の3本のステージで総合2位を守り続けるなど非常に好調でしたが、SS4でトラブルによりスロー走行を余儀なくされ、その後デイリタイアに。チームはサービスパークでクルマを修理し、ロバンペラは明日のデイ2に再出走する予定です。
なお、TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、今回もヤリスWRCで出場の勝田貴元は、所々でトップに迫る速さを示し、総合6位につけています。
ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
セブは今日、素晴らしい走りを見せてくれました。昨日のシェイクダウンでもスピードと力強さを示していましたが、今日は出走順が1番という不利な状況だったにも関わらず、我々が想像していた以上にタイムロスを少なく抑えました。彼にとっては完璧な1日だったと言えます。エルフィンにとってはかなり難しい1日でしたが、それでも彼はとても安定していましたしミスもしませんでした。それは、選手権を戦う上で重要なことですので、彼の今日の戦いには非常に満足しています。残念ながらトラブルで止まってしまいましたが、午前中のカッレのパフォーマンスを見て嬉しく感じました。原因については調査中ですが、明日は再出走できると思います。
セバスチャン・オジエ
とてもいい1日でしたし、自分たちの仕事に満足しています。特に午前中は調子が良く、新しい2本のステージでは差をつけることができたと思います。コ・ドライバーのジュリアンと共に、レッキでいい仕事をして完成度の高いペースノートを作成できたからこそ、自信を持ってプッシュすることができたのです。また、前戦ポルトガル後にセットアップを改善した結果、クルマにも非常に満足しています。午後は、予想していた通り少し厳しかったですが、最も重要なのは総合3位で1日を終えることができたことによって、明日のスタート順が今日よりも良くなることです。トップとの差は大きいですが、今日はとても良いパフォーマンスを発揮できたので、明日以降どうなるか楽しみです。
エルフィン・エバンス
カッレ・ロバンペラ
ラリー・イタリア サルディニア デイ1の結果
1 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 1h26m58.0
2 ダニ・ソルド/ボルハ・ロザダ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +19.4s
3 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +36.2s
4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +1m02.0s
5 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m03.2s
6 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリス WRC) +1m26.1s
7 マッズ・オストベルグ/トルシュテン・エリクソン(シトロエン C3Rally2) +3m41.7s
8 ヤリ・フッツネン/ミッコ・ルッカ (ヒュンダイ i20 R5) +4m08.7s
9 ヨアン・ロッセル/アレクサンドレ・コリアシトロエン C3Rally2) +4m35.8s
10 ペペ・ロペス/ディエゴ・ファレホ(シュコダ ファビアRally2 Evo) +4m52.1s
38 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +49m58.3s
明日のステージ情報
競技2日目となる6月5日(土)のデイ2は、サービスパークの南側から西側にかけてのエリアが戦いの舞台になります。デイ1と同様、2本のステージを各2回走行した後、昼のサービスを経て、別の2本のステージを各2回走行。午前中のSS10とその再走ステージであるSS12「レルノーモンティ・ディ・アラ」は、このラリーの名物である「ミッキーズ・ジャンプ」を含む伝統的なステージです。8本のステージの合計距離は129.62kmと、デイ1よりも2km以上長く、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は539.38kmとなります。