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全日本ラリーモントレー:SS1のみの競技初日は柳澤宏至がトップ

©Jun Uruno

群馬県高崎市を拠点として開催された全日本ラリー選手権第6戦モントレー2021は、6月12日に競技初日を終えて、シュコダ・ファビアR5を駆る柳澤宏至/保井隆宏が首位に立った。2番手に奴田原文雄/東駿吾、3番手は勝田範彦/木村裕介と、トヨタGRヤリスが2台続いている。

無観客での開催となったモントレーは、これまでの嬬恋村から高崎市へと拠点を移し、SSも県南西部エリアのターマック林道を使用する新しいラリーへと生まれ変わった。サービスパークやHQが置かれる拠点となるのは、高崎競馬場の跡地に建設されたコンベンションセンター『Gメッセ群馬』。高崎駅からも歩いてアクセスすることが可能で、有観客であれば大きな賑わいを見せたはずだ。本来であれば2020年からこのスタイルで開催する予定だったが、昨年は中止を余儀なくされたため、2年ぶりのモントレー開催となった。

また、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ラリー主催者は競技に先立ち関係者全員に問診表の提出と抗原検査を実施。サービスパークの出入りに際しては行動実績票の記入を行うなど、様々な感染防止策をとって大会の運営を行った。

ラリーは初日の土曜日に1SS、2日目に2SSというわずか3SSだが、各SSが20km前後というロングステージでの構成となった。初日は午前5時からレッキを行い、午後3時半に1号車がスタートというハードスケジュール。21.77kmのSS1はハイスピードでバンピーなコース。クルマのセットアップが決まっているか否かでタイムは大きく変わってくる。また、同じSSを2度走行する2日目は初日と異なりテクニカルなコース。SS2とSS3の間にはサービスの設定がなく、従来とは異なる戦いになることが予想された。スバルの鎌田卓麻は「ステージの間にサービスがないので、いったん走り出してしまうと車両の大きな変更やセットアップができず、ドライバー側でアジャストしていかなければなりません。ドライバーとクルマのポテンシャルが勝敗を左右する戦いだと思います」とコメントしている。

Naoki Kobayashi


トップカテゴリーのJN1クラスには全11台が参戦。内訳はGRヤリスが6台、ファビアR5が2台、スバルWRX STIが2台、三菱ランサーエボリューションが1台。GRヤリスは徳尾慶太郎/石田一輝がこのラリーから投入したことで、今季最大の6台エントリーとなった。16時48分スタートのSS1では、柳澤が後続に3.5秒差をつけて首位に。2番手には奴田原、3番手に勝田とGRヤリス勢が続き、8.6秒差の4番手に福永修/齊田美早子、5番手に鎌田/松本優一がつけるかたちとなった。スバルの新井敏弘/田中直哉は中盤でパンクを喫し、ステージ内でのタイヤ交換を余儀なくされ大きくタイムロス。SSは走り切ったものの勝負権を失い、2日目のレグポイント獲得を目指す。

トップの柳澤は、「ベストを獲れました。前戦の丹後よりも路面とタイヤの相性が良くて、グリップを感じて走れました。クルマは少しサスペンションのセッティングを硬い方向に振ってきたくらいです。明日はまたコースが変わるので、そこに向けて調整していきます」と手応えを感じさせるコメント。一方、2番手の奴田原は「ハイスピードでグレーチングのギャップもあって、気の抜けない道でしたね。そこを上手くコントロールしていくのが大変でした。スムーズな丹後と比べると難しい路面です。タイムはもう少し詰められたかもしれませんが、前半はシフトミスしたり、ドライバー側がまだ慣れていないのが出てしまいましたね」と、難しさを語る。

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JN2はヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタGT86 CS-R3)がJN1クラスに食い込む総合6番手タイムをマークし、クラス首位に立つ。2番手には第4戦唐津以来の参戦となるレクサスRC Fの石井宏尚/竹下紀子、石井と僅差の3番手に中平勝也/島津雅彦がつける展開となった。4番手には前戦の丹後からマシンを修復してエントリーした上原淳/漆戸あゆみ(ホンダ・シビック・タイプRユーロ)、その背後5番手にトヨタ・ヴィッツGRMNの中村英一/大矢啓太が続く格好となった。

コバライネンは「今日のターゲットは、初めて走るステージでもアタックすることだった。普段だったら1ループ目は様子を見ながら走り、2ループ目でペースアップという流れだけど、今回はステージ中にインプルーブすることを心がけた。レッキでしっかりペースノートを作れたこともあって、とても良いフィーリングで走ることができたよ」と手応え。課題を持って取り組み、きっちりとそれをこなしてみせた。2番手の石井は「登りが多いからいけるかと思ったら、下りも長くて。ブレーキが頑張れないので、これくらいが限界かな。タイヤもクルマも調子がいいんですが、今ひとつリズムに乗り切れていないですね」と、この日のステージを振り返った。3番手の中平は「様子見ができないので、すっごく頑張ったんですが、ヘイキ選手のタイムが尋常じゃなく速いですね。石井選手が4秒前にいるので、明日は順位を上げられるように頑張ります」と意気込みを語った。

トヨタ86とスバルBRZが鎬を削るJN3クラス。前戦優勝した竹内源樹/木村悟士(スバルBRZ)がクラッシュを喫し、自走不能の状態でコースを塞ぎストップ。コース全域に赤旗が提示され、以降のアタックは中断。各選手には16分39秒0のノーショナルタイムが与えられることとなり、全車スルーでSSをフィニッシュ、この日の競技を終えることとなった。

競技2日目は19.75kmのSSを2度走行する39.10km。初日と異なりテクニカルな性格の強いステージとなるほか、天気予報では局地的な雨も予想されている。SS2と3の間にサービスは設けられないため、スペアタイヤを1本搭載するか2本搭載するか、各選手の見極めがポイントとなりそうだ。

MONTRE 2021 レグ1終了時結果
1.柳澤宏至/保井隆宏(シュコダ・ファビアR5) 14:30.7
2.奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス) +3.5
3.勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス) +7.8
4.福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5) +8.6
5.鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI) +14.8
6.ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(トヨタGT86 CS-R3) +17.8



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