2011年、世界ラリー選手権(WRC)に「DS3 WRC」がデビューし、シトロエンの新たな歴史が始まります。7度目のマニュファクチャラーズ・タイトル獲得を目指すシトロエン・トタル・ワールドラリーチームは連続8度目のドライバーズ・タイトルを狙うセバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ組と、2010年に2度の優勝を飾りワークスに昇格した、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組の2チームをエントリーします。加えてペター・ソルベルグ、キミ・ライコネン、ピーター・バン・メルクシュタインがプライベーターとしてDS3 WRCを走らせます。
WRCのトップカテゴリーに参加して10年となるシトロエン・レーシングは、3代目のWRカーを今まさに送りだそうとしています。世界タイトルをそれぞれ3度獲得したクサラとC4の後を受け、DS3 WRCはスウェディッシュラリー(2月10〜13日)から世界の舞台にデビューします。オリビエ・ケネル率いるシトロエン・レーシングは、マニュファクチャラーズ・タイトルと、ドライバーズ・タイトルの死守という目標にしっかりと照準を合わせ、大事なシーズンのスタートを迎えます。
シトロエンDS3 WRCは国際自動車連盟(FIA)の新しいレギュレーションに沿って開発された独創的なマシンです。まず目を引くのはサイズの変化です。C4に比べてよりコンパクトになり、いっそう敏捷な走りを手に入れました。シトロエン・レーシング設計の1.6ℓリッターターボ直噴4気筒エンジンを搭載、4輪駆動のトランスミッションにマニュアルコントロールのシーケンシャル・ギアボックス、前輪と後輪のコンスタント・パワーシェアリングシステムの採用と、見えない部分にも大幅な変更が行われました。
昨年のパリ・モーターショーで初めてその姿を現したシトロエンDS3 WRCは、以来何度もテストを積み重ね2011年シリーズに備えてきました。
9カ月にわたる全13戦のシリーズは特色のあるイベントで構成されています。極寒のスウェーデンから灼熱の砂漠を走るヨルダンまで、WRCは男たちにとっても、マシンにとっても、とてつもないチャレンジなのです。ザビエル・メステラン・ピノン率いるテクニカルチームは、テストで最も過酷なコンディションを再現、マシンの信頼性を高め、パフォーマンスを高める努力をしてきました。
シトロエン・トタル・ワールドラリーチームは、現在は「シトロエン・レーシング・トロフィー」としてヨーロッパ各地で開催されているラリーで頭角を現し、成長してきたクルーに2台のDS3 WRCを任せます。7度の世界チャンピオンに輝く王者セバスチャン・ローブとダニエル・エレナは、新しい挑戦が始まるのを今や遅しと待っています。すでにWRCのあらゆる記録をほぼすべて手中に収めているふたりは、その驚異の戦果の上に、さらなる栄光の歴史を積み重ねていくことを目指します。2010年、ワークスチームとして3つのラリーに参戦したセバスチャン・オジエとジュリアン・イングラシアはDS3 WRCの2号車を任されました。WRCですでに2度の優勝を経験しているふたり。彼らはそのスピードと安定性に一層の磨きをかけていくことでしょう。
ワークスチームの冠スポンサーとして長くシトロエンとのパートナーシップを結んできたトタルは今年も健在です。また、2008年に始まったレッドブルとの関係は今年も続き、DS3 WRCはお馴染みののレッドブルカラーをまとって疾走します。そのほか、DS3 WRCにタイヤを供給するミシュランとファルコン、アルコンの3社がシトロエンのパートナーに復帰します。
シトロエン・レーシング・テクノロジーズからは、3台のDS3 WRCがプライベーターとしてエントリーします。ペター・ソルベルグ/クリス・パターソン組は13戦のフル参戦、キミ・ライコネン/カイ・リンドストローム組は10戦に出場、ピーター・バン・メルクシュタイン/エディ・シュヴァリエ組は、ラリー・ポルトガルからの参戦スタートとなります。
プジョー・シトロエン・ジャポンでは、2011年もシーズンを通してWRCのリザルトをタイムリーに配信、新しく投入されたDS3 WRCの活躍をお伝えしていくことによってシトロエン車の高いパフォーマンスを広くアピールして参ります。