WRCベルギー:ピレリ、WRC初開催のベルギーにP ZERO WRCを投入 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCベルギー:ピレリ、WRC初開催のベルギーにP ZERO WRCを投入

©PIRELLI

今週開催されるWRC第8戦イープル・ラリーベルギー(8月13〜15日、ターマック)は、同国で初めて開催されるWRCだ。ベースとなるトリッキーなターマックイベントのイープルラリーと、世界屈指の名門サーキットでF1ベルギーGPの開催地でもあるスパ・フランコルシャンというベルギーで最も有名なふたつのモータースポーツの舞台を組み合わせた一大イベントとなる。この注目の一戦にピレリは、最高峰クラスのWRカー勢にターマックタイヤP Zero WRCのソフトコンパウンドとハードコンパウンド、さらにフルウエット用にチントゥラートを供給。3つの選択肢を準備する。

P Zero RA WRC RC1:ピレリのターマックタイヤは、舗装路面用にふたつのコンパウンドが用意される。ベルギーで第一の選択となるのはソフトコンパウンド。ドライと湿ったコンディションのミックス用となり、気温が低めの場合やスリッパリーなコンディションでベストのグリップを発生する。ハードコンパウンドは、よりドライなコンディションや距離の長いステージ、気温が高い場合の選択肢となる。

P Zero RA RC2:サポートカテゴリーにピレリが供給するターマックタイヤも、ドライ&湿ったコンディションのミックス向けのソフトコンパウンド (RA7+)と、ドライコンディション向けのハードコンパウンド(RA5)が用意される。これらのタイヤには、WRカーが装着するWRCタイヤが持つ特徴の多くが流用されている。

Cinturato RWB:全カテゴリーに用意されるウエットコンディションのターマック用タイヤ。独自のトレッドパターンにより特に排水性が高く、ハイドロプレーニングを軽減する。

テレンツィオ・テストーニ(ピレリ・ラリーアクティビティマネージャー)
「イープルはWRCにとっては新しいチャレンジかもしれないが、ヨーロッパで最も人気がある過酷なラリーの一戦であり、我々にはなじみが深い。コース脇はディッチが多く電柱も並んでいるが、クルーにとって最大のチャレンジとなるのは各車が通過するたびに路面に掻き出される砂利の量で、場所によっては路面がかなりスリッパリーになることもある。このため、P Zeroのソフトコンパウンドが主な選択となるはずだが、この地域の天候は常に予想が難しく、ハードコンパウンドとフルウエットもかなり登場する可能性もあるだろう。スパ・フランコルシャンでの最終日も楽しみにしている。ピレリにとって毎年最大のモータースポーツイベントであるスパ24時間耐久レースの2週間後に行われ、WRCの2週間後にはF1ベルギーGPも控えている。もしドライなら、スパの路面のグリップは、ラリーのそのほかのステージよりも格段に高く、パワーステージに向けて各チームが戦略を練ってくるかもしれない」

ピレリが今回のベルギーに持ち込むタイヤの本数は約3100本。そのうちおよそ750本がWRカー用だ。各WRCドライバーがラリー中に使用できるタイヤ本数は26本で、シェイクダウン用には別途4本が供給される。

各マシンに用意されるタイヤの種類と本数は次のとおり。
ワールドラリーカー
P Zero WRC Soft
:26本
P Zero WRC Hard:24本
Cinturato RWB:12本
※シェイクダウン用に別途4本が供給される。

ピレリは、WRC2、WRC3を含め、エントリーする4WDマシンにも2000本のタイヤを供給する。
4WDマシン(WRC2、WRC2を含む)
P Zero RA7+ (ソフト)
:24本
P Zero RA5 (ハード):22本
Cinturato RWB:12本
※シェイクダウン用に別途4本が供給される。

ベルギーが第4戦となるジュニアWRCにはさらに350本を供給する。
JWRC
P Zero RA7+ (ソフト)
:16本
P Zero RA5 (ハード) :12本
Cinturato RWB :12本
※使用できる本数は最大22本(シェイクダウンを含む)

スリッパリーなイープルのステージではグリップが非常に重要となるため、ドライバーはソフトコンパウンドを好んで使用する。しかし、8月中旬の会期ということもあり気温が高くなる可能性もあるほか、1年を通してどの時間帯でも雨が降る懸念も拭えない。このため各チームとドライバーは、ラリーモンテカルロのように、グラベルクルーや天気予報士からの最新情報を頼りにタイヤを選択することになる。

注目点は、アイテナリーが次々と進んでいく金曜日。ラリーの競技初日は、ステージ走行距離の点からも8SSで135.34kmと最も距離が長いが、それが午後と夜半に凝縮されコンパクトなルートとなっている。総走行距離の半分近くをこの予定で走り切ることになるため、ドライバー陣は気を緩めることができない。また、ベルギーの国内トップドライバーたちも要注目。この激戦のベルギー選手権でも、ピレリを履いて戦うコンペティターがいる。

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