WRCベルギー:ヌービル「自分のノートを使えるのは45%」イベント前記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCベルギー:ヌービル「自分のノートを使えるのは45%」イベント前記者会見

©Hyundai Motorsport GmbH

WRCベルギー、シェイクダウン前日の8月12日に行われたイベント前カンファレンスの内容(抜粋)。待望の母国でのWRC初開催を迎えるヒュンダイのティエリー・ヌービル。ベースのイープルラリーには6回の参戦経験があるが、金曜日・土曜日は過去のルートからの変更が大きく、最終日は初めてスパ・フランコルシャンサーキットが舞台となるため、手持ちのノートが活用できるのは半分以下にすぎないことを明かした。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者
セバスチャン・オジエ=SO(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
アドリアン・フルモー=AF(Mスポーツ・フォードWRT)

Q:ティエリー、WRCが初めて母国のベルギーで有名なイープルラリーで開催される日を迎えた。レッキを終えた今、ベルギー人としてWRCを母国で迎える気分はどうか
TN:イープルは好きなイベントでいつも楽しめている。道は特別だしね。ストレートもジャンクションも多く、多くの場所がかなりスリッパリーなターマックだ。WRCとして自分の大好きなマシンでこの場所に来ることは、もちろんいい気分だ。これまでドイツで参戦する機会はあったし、実はイープルよりも実家に近いので自分の母国イベントのようなものだった。でも、ベルギーで開催されるWRCでファンからの応援を受け、自分の好きな道をドライブするのは、間違いなく自分にとってハイライトになる。

Q:イープルのラリーではこれまで6回参戦して、R5マシンで優勝経験もある。これまでのイベントと同じステージもあるが、逆走での使用になるのだろうか。WRCとしてのルートはどのような感じか。内容は高まっているか
TN:主催者が選んだルートには、実は少し驚いている。2年前のこのイベントに比べると新しいターマックがたくさんある。道はもっとラフだったしバンピーで、今年よりもカットも多かった。何らかの形で自分が走った場所もあるし、同じ方向のところもある。最終的に今年のアイテナリーの中で自分たちがノートを持っていたのは45%しかない。自分がいつも走っていたところは熟知していると思うよ。

Q:イベント前のテストをベルギーで2回行ったのはなぜか。シーズンの中で重要な局面だからなのか、最初から決まっていたのか、あるいはほかの理由か
TN:オィットはポルトガルで2日間行い、自分はサルディニアで2日間行うはずだったが、その時点ではここで2回テストが必要になるとは考えていなかった。ほかのラリーのために1日は残しておきたかった。イープルに来る前、自分のテストの初日は大雨だった。天候がどうなるかを見極めるために、もう少しラリーの会期に近いタイミングでテストすることが目標だったので、追加の1日をイベント前週のテストに使った。

Q:どのドライバーも、母国ラリーで勝利を飾りたいと思うだろうが、選手権争いの現状を考えると、ここで勝つことはどれだけ重要になるか
TN:ドライバーズ選手権のタイトル争いという点ではタフなチャレンジになると思うが、この先どうなるかは誰にも分からない。過去のシーズンでもいろいろなことが起きたし、どんな可能性も残されている。ほかのドライバーの動向次第にもよるが、自分は自分のことに専念できるし、ベストを尽くしたうえで、どうなるかを待つだけ。

Q:セブ、選手権リーダーとして、まったく新しいラリーを迎える。ここに参戦したことがないドライバーがこんなに多いことは驚きだが、レッキでステージを走行した時点での印象は
SO:見極めなくてはならないことがたくさんある。レッキではそれほど驚いたことはない。当然、ほかのみんなと同じようにここの来る前に動画を観てどのようなステージかは考えているからね。非常に独特な道だ。ほぼ全般にわたってすごくナローでグリップ変化が激しく、カットも多い。ティエリーが、以前はこんなに多くなかったと言ったくらいだ。それでも、いい具合の量だと考えたいね。タイヤにとっても試練が大きいと言える。今のところ、僕らのタイヤはターマックでは弱い感じがあるし、今週はパンクのリスクもかなり高いと見ている。こうしたことがリザルトに直結してほしくはないが、それが問題になりかねないことは頭に置いておかなければならない。ターマックラリーとしては最高の性質ではないかもしれないが、それでもチャレンジのひとつであることには間違いない。難しいラリーではあるが、結果的に世界選手権に多様性が加わるのはいいことだと思う。どのラリーもそれぞれに違いがあるし、ここはターマックとしては珍しいタイプ。そうしたイベントが選手権に加わるのはいいことだと思う。少なくとも、ここでは道路の変化がそれほどないはずだというのは、ポジティブな要素だと思う。トップ5とか10とか、上位でスタートするドライバーたちは走行順のことを考えずに戦うチャンスだ。ラリーのためにも、競技の上でもいいことだ。だから自分たちがどこまでできるか楽しみにしている。

テストの内容があまりよくなかったのが残念だ。正直、あまりいい道ではなく、ラリーで走行するような性格に近くなかった。だから、午前中のシェイクダウンでマシンがどのような動きをするかを見て、ここでいいフィーリングを得られるかを見極めなくてはならない。選手権についても触れていたが、もちろん今、自分たちはいい位置につけているが、まだ5戦控えていてポイントを獲得できるチャンスはたくさん残っている。気を緩める時間はないことも重々承知しているし、この先もベストを尽くす。同時に、必ずしも勝つ必要もないので、自分がキャリアの中で続けてきたクレバーなアプローチを維持することに努めることがキーワードだ。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:選手権の中でも独特なイベントと話していたが、これまで7回タイトルを獲得している君にアドバイスは必要ない。しかし、今回は初めて参戦するラリー、誰かに意見を仰ぐか。ノートクルーには、イープルに7回参戦してポディウムに上がったことのあるシモン・ジャン‐ジョセフもいる。彼から何かアドバイスは受けていないのか
SO:もちろん彼からもアドバイスは少しもらったが、彼がこのイベントに参戦したのはかなり前のことだ。だから、地元のドライバーに助けをお願いした。ステファン・ルフェーブルはここの道を熟知している。彼の指南は素晴らしかったよ。とても細かいことを説明してくれて、ブレーキポイントのコツも教えてくれた。自分は今回も彼のではなく通常の自分のノートを使うが、グリップ変化を見極めるのが大変なところばかりだから、あちこち部分的に使わせてもらえるのは助かるよ! 助けになるのはわずかな部分かもしれないが、参戦経験のあるティエリーやクレイグのペースについていくのはチャレンジングになるだろうからね。でも、いつもどおり優勝を目指してラリーをスタートするので、どこまでできるのか楽しみだ。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:アドリアン、初めてのイープルでの参戦で、今回は再びWRカーをドライブする。母国でのイベントではないが自宅はここから遠くない。このイベントを迎えるのはどんな気分か
AF:すごくハッピーだ。たしかに実家はここから40kmしか離れていない。今回は家族や友人も来てくれるのでいいイベントになることを願うよ。再びWRカーをドライブできることも、すごくうれしい。このマシンでターマックに参戦するのは2回目。ビッグチャレンジになると思うし、特にすごく難しい道だからね。でも、楽しめると思うよ。

Q:クロアチアでは見事なリザルトを残したし、オジエが更新するまでのトップタイムもマークしていた。今回の目標は
AF:ステージタイムでトップ3か4、総合リザルトでトップ5争いをすること。ビッグチャレンジになることは覚悟しているが、今回はそれが自分のゴールだ。

Q:今回のラリーで一番チャレンジングになると見ているデイやステージはあるか
AF:正直、イープルのステージはかなり似通っている。違っているのはスパだ。もっとバンピーだし、コースは少しモンツァのようだ。日曜日に向けてセッティングを変えるのは少しチャレンジングになると思う。このタイプの道ではインカットするから、先行車が泥を掻き出すところはクレバーにならなくてはいけないし、うまく切り抜けるポイントを見つけるしかない。速度域が高いのは間違いないから、それを見極めるのは難しいと思う。

Q:2022年シーズンについて話せることはあるか、どのチームでドライブするのか
AF:まだ、その件について作業を進めているところ。Mスポーツに聞くのが一番いいと思うよ。

Q:もちろんフル参戦が希望
AF:もちろんフルシーズンで戦いたい。ラリー1マシンで選手権全戦に参戦したい。でも、自分には分からない。今シーズンのことでさえ、次のラリーで自分が何のマシンに乗るのかも分かっていない。自分の次のラリーが何になるのか、残りのシーズンがどうなるのかも知りたいよ。

記者席からの質問
Q:トーマス・ミシェル(RTC テレ・リージュ、ベルギー)
土曜日と日曜日のルートで大きな違いは何か

TN:性質はかなり違う。ステージはかなりバンピーで、滑りやすくマディなセクションもある。でも、このエリアはかなり雨に降られている。それ以外は、基本的にはサーキットレーシングスタイルのステージで、コースとパドックを使い、少しラリークロスのような感じもある。だから、複雑だし、あらゆる要素が少しずつ盛り込まれている。正直、もっといい道を選ぶこともできたと思う。



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