開催中のWRC第8戦イープル・ラリーベルギー(ターマック)のWRC2は、ヒュンダイi20 Nラリー2の実戦デビューを飾ったオリバー・ソルベルグが圧勝ペースで初日首位に立った。
序盤、ペースを握ったのはロシアのニコライ・グリアジン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)だったが、SS3でコースオフを喫し深いディッチにはまってしまったため、デイリタイアとなってしまった。
グリアジンの不運で首位に立ったのは、今回はフィエスタ・ラリー2 MkIIでの参戦となったテーム・スニネン。4SSでベストタイムをマークし、22.7秒のリードを築くなど進捗は順調に見えた。しかし、この日最後のSSとなったSS7(SS8は安全上の理由からキャンセル)をスタートしてわずか数kmで右フロントタイヤをパンク。そのまま走行を続けたが、その後、コースアウトも喫してラジエターにダメージ。オーバーヒートが発生したため、11分以上のロスとなってしまった。このステージでは、2番手につけていたソルベルグのチームメイト、ヤリ・フッツネンもパンクに見舞われた。フッツネンはステージを走り切ったが、このステージで3分近くをロスしている。
周囲に波乱が続く中、落ち着きを保った19歳のソルベルグは首位でこの日をフィニッシュ。最終的にスニネンに2分48秒7差をつけてこの日の最終サービスに戻ってきた。
「ヒュンダイi20 Nラリー2にとっての実戦初日は、素晴らしい内容になった」とソルベルグは満足を見せた。
「このイベントでは、とにかくトラブルを避け切るよう努めなくてはならないことは分かっていた。素晴らしい1日にはなったが、ここからは最高にいい週末にできるようにしなくてはならない」
一方、スニネンは最終的にSS7を走り切り3番手でこの日を終えたが、フッツネンからは7分33秒2遅れのタイムとなっている。SS7では、昨年のジュニアWRCチャンピオンで、タイトル特典として今回、フィエスタ・ラリー2 MkIIでWRC2に参戦しているトム・クリステンソンがコースオフを喫しサスペンションにダメージを負うなど、この2回目のKemmelberg(23.62km)は、WRC2勢にとって魔のステージとなってしまった。
WRCベルギー WRC2デイ1終了後暫定結果
1 O.ソルベルグ(ヒュンダイi20 Nラリー2) 1:10:11.9
2 J.フッツネン(ヒュンダイi20 Nラリー2) +2:48.7
3 T.スニネン(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII) +10:21.9
4 T.クリステンソン(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII) +10:26.5
5 N.グリアジン(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5) +49:30.3