テーム・スニネンがWRCベルギーを最後にチームを離脱したことを受け、2022年WRCに参戦するMスポーツ・フォードのラインナップの動向は絞られつつある。
2017年からMスポーツ・フォードに在籍していたスニネンだったが、今季はWRC開幕戦モンテカルロでの高速クラッシュに始まり、本来の速さを発揮することに苦戦していた。一方、アドリアン・フルモーがレッドブルからの資金をMスポーツにもたらすことに成功し、スニネンと交互にフィエスタWRCで参戦することになり、スニネン自身は自信を取り戻す機会が減っていた。8月のWRCイープル・ラリーベルギー参戦時には、モチベーションは高いままだと強調していたスニネンだったが、離脱発表では「分析した結果、Mスポーツ・フォードを離れることを決断した。チームと話し合いを行い合意のうえでの決定」と明かしている。スニネンは、9月9日に開幕するWRCギリシャにはMスポーツ・フォードからフィエスタ・ラリー2でWRC2部門に参戦を予定していたがこのエントリーは取り消されるものとみられ、スニネンが離脱したことで10月のラリーフィンランドでは、フィエスタWRCのシートがひとつ空くことになった。
これでMスポーツ・フォード入りが一気に濃厚になるとみられるのが、クレイグ・ブリーンだ。これまでにもMスポーツ・フォードと2022年に参戦に向けて交渉を行ってきたブリーンは、9月にもチームとの2年契約を発表すると目されているが、現時点でどちらのサイドも公式の言及は控えている。しかし関係者の話によれば、ブリーンはWRCギリシャのレッキに参加した後、その翌週にも新規定ハイブリッドのフォード・プーマ・ラリー1をテストする模様だという。
また、スニネンのMスポーツ離脱により、フルモーとガス・グリーンスミスがそのままラリー1のドライバーラインナップになるという予測も後押しを受けることになる。両ドライバーともMスポーツのラリー1マシンのテストプログラムに参加しており、WRCギリシャにはフィエスタWRCで参戦する。
(Graham Lister)