新型コロナウイルスの感染流行の影響で、シリーズイベントの開催が難航していたAPRCは、11月27〜28日にオーストラリアのコフスハーバーで予定していたファイナルの開催を断念する見込みとなった。RALLY PLUS編集部の取材に対し、シリーズのメディア担当は近日中に公式の発表を行うとしている。
2021年のAPRCは当初、アジアカップ、パシフィックカップ各4戦が予定されていたが、2月のラリーオブ嬬恋(日本、スノー)が開催をキャンセル。その後、3月のサウスインディア(インド、グラベル)も開催を延期していた。FIAは3月5日のワールドカウンシルでは修正カレンダーを発表したが、シリーズサイドは新型コロナウイルスの感染状況に対する各国の制限を鑑みて現実的な開催には懐疑的で、選手権に予定していたイベントが開催できない場合、各戦の開催国のASNがファイナルへの参戦を希望するエントラントのリストを提出する形式でファイナルのみを開催する方向性を明かしていた。
その後、各国での感染状況はさらに悪化。4月、6月へと2回の延期を発表したサウスインディアは最終的にイベントをキャンセル。ニュージーランドとオーストラリアは国内独自にカップを展開していたが、今週開催されるラリー北海道は2年連続でのタイトル返上を発表しており、国際部門/全日本選手権部門として行われる。
APRCは、2019年からファイナル1戦でタイトルを決定するシステムを導入。ファイナルはアジア圏とパシフィック圏で交互開催するとして2019年は中国で開催。2020年はコフスハーバーで予定されていたが、この年は全戦が開催キャンセルとなったことで、なし崩し的にファイナルも中止に。2021年はそのまま開催エリアをスライドしてコフスハーバーがファイナル開催を務めることになっていたが、これで2年連続で開催を見送る形となった。これにより、2021年もAPRCタイトルは与えられなくなった。