WRCプロモーターは、今季最終戦として予定されていたラリージャパンの代替ラウンドを、イタリアのラリーモンツァ(ターマック)とすることを発表した。
モンツァがWRC最終戦を開催するのはこれで2年連続となる。会期は11月19〜21日で、ミラノ近郊の名門サーキット、アウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァが拠点となる。昨年も直前にWRCとしての開催が決定。この時は、マディ&スノーの悪天候に見舞われたターマックステージで3日間激闘が繰り広げられた末に、セバスチャン・オジエがドライバーズタイトル、ヒュンダイがマニュファクチャラーズタイトルを獲得した。
今季のラリーは、イタリア人ドライバーのミケーレ・アルボレートにちなんだ“クルバ・アルボレート(旧パラボリカ)”やレズモ、クルバ・グランデなどを盛り込んだステージが設定されるほか、サーキット北部の山岳路も使用する。ラリーモンツァが初めて開催されたのは1978年。今季のWRCがイタリアで開催されるのは、6月に開催されたラリーサルディニアに続いて2戦目となる。
WRCプロモーターのマネージングディレクター、ヨナ・シーベルは、モンツァラリーが今年もエキサイティングな試練を与えると語った。
「昨年は冬のコンディションが重要な役割を果たし、多くのスリルと喜びに満ちたラリーとなった」とシーベル。
「今年は会期が早まるが、“スピードの神殿”と呼ばれるタフな道では、同じように見応えのある戦いが行われることは間違いない」
「苦労を重ねて準備を進めていたラリージャパンが、やむを得ない理由で中止になったことは、非常に残念。同じようにACIが今回も直前の決定でWRCの最終戦を開催してくれることをうれしく思う」
「日本のASNであるJAF、ラリージャパンを運営する株式会社サンズ、準備に尽力してくださった政府、ラリー地域の自治体の皆様に心より感謝申し上げます。2022年には、条件が整えば日本で開催することを約束する」
FIAラリー委員会のディレクター、イブ・マトンは「ラリージャパンが新型コロナウイルスの影響でキャンセルになったことは実に残念であり、2年連続で苦労が報われないことは、これまで懸命に働いてきた主催者にとっても厳しいものだ」と語った。
「ラリーモンツァは昨年、直前の開催決定にもかかわらず、名門サーキットで充実した革新的なイベントを作り上げた。ASNであるACI総裁のアンゲロ・スティッキと彼のチームは、トップクラスのWRCイベントを開催するために必要なものはすべて揃っていることを示した。今年も、その決意とプロフェッショナリズムによって選手権の最終戦が開催されることは、とてもポジティブなニュースだ」
イタリア自動車クラブ(ACI)総裁のアンゲロ・スティッキは「ACIラリー・モンツァがWRCとして開催されることは、イタリア自動車クラブ、FIA、WRCプロモーターの間の相互信頼と尊敬に基づく素晴らしい関係を示すものであり、また、昨年高く評価されたこのラリーの形式の価値を示すものだ」とコメント。
「今回もまた、ACIはまだ厳しい状況の中で2021年WRCの最終戦を飾るための、特別な舞台となる独特の環境を提供する。“スピードの神殿”であるモンツァは、今年もWRCのマシンを迎える。ファンのみなさんには、この特別なイベントに華を添えていただきたいと思っている。運営作業はすでに始まっており、全スタッフが最高のイベントを実現するために取り組んでいる」