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ランチア、ECV2プロトタイプをフオリ・コンコルソに出展

©FCA Italy

ランチアは、イタリア北部コモで10月2〜3日にかけて開催される第2回フオリ・コンコルソに『ランチアECV2プロトタイプ』を出展する。

このイベントはクルマファンだけでなく、文化やライフスタイル、特別な体験を愛する人々に向けた独自のフォーマットで開催され、今年は“ターボ技術”がそのテーマとなっている。

ランチア・エクスペリメンタル・コンポジット・ビークル(ECV=実験的複合車両)の進化を体現するECV2は、控えめなボディデザインを纏うが、中身はデルタS4の後継車である『ランチアECV』の進化系と言っていい。とはいえ表舞台に登場したのは、すでにグループA規定が始まっていた1988年。この年のトリノモーターショーで“スタイリングの試作品”としてお披露目されたものだ。

エンジンは1759ccの4気筒。トリフラックスと呼ばれるシステムで縦置きエンジンの両側にターボを備え、8000回転で600馬力を発生する。これを可能としたのは、インタークーラー付きのツインターボと、モジュラー圧力制御システムという当時最新のスペックだった。このランチアECV2のトップスピードは時速220kmで、0-200km加速はわずか9秒で到達する。また、ボディ構造やクランクシャフト、ホイールリムなどの部品にコンポジット素材が導入され、カーボンパネル、ハニカム構造、硬質フォームなども使われている。その結果、グループBマシンのデルタS4と同等のねじり剛性を維持しながら、20%以上の軽量化を実現している。

イベント会場はコモ湖のほとりに建つ17世紀の邸宅で、今回のイベントでは自動車メーカーの博物館や個人コレクションから借り受けたターボエンジン搭載の量産車、レーシングカー、コンセプトカー、プロトタイプなどの貴重な出展車両を鑑賞することができるという。会期中は、F1ドライバーやラリードライバーのほか、世界的に有名なデザイナーであり、アルファロメオ、フィアット、ランチア、アバルトによるステランティス・ヘリテイジの責任者でもあるロベルト・ジョリートなど自動車業界の専門家との交流も予定されている。ステランティス・ヘリテイジは、イタリアの名門4ブランドの膨大な歴史的遺産の回収、保護、強化を目的として2015年に設立され、特に600台以上のビンテージカー所有を誇る。

教育的な学術活動に加えて、このヘリテイジではヒストリックカーのファンやコレクターのために、認証、メンテナンス、レストア、モパーと共同で再現した入手不可能なスペアパーツなど、あらゆるサービスを提供していることも特筆すべき点。さらに、「Reloaded by Creators」というサービスでは、世界中のクラシックカーを探し出して再生させ、認証してマーケットに送り出すという、美術館のようなアプローチでほかの名車の購入や修復への資金を生み出している。

「このようなイベントに参加できることは、とても名誉なこと」とジョリートは語る。
「我々は、我々のブランドの歴史的、技術的遺産についての知識をできるだけ広く普及させることを目指している。そして、我々のビンテージカーの貸し出しを含め、こうした取り組みを支援することが、5年以上一貫して取り組んできたプロジェクトの名声につながると確信している。事実、今回、フオリ・コンコルソに展示するランチアECV2レーシングプロトタイプは、ステランティス・ヘリテイジのコレクションから直接出展するもの。非常に独特なこのモデルは、実戦に参戦することは一度もなかったが、最高のパフォーマンスを発揮することを目的とした革新的なテクノロジーを採用しており、今日に至るまで魅力的な存在となっている。つまり、この一流のイベントにランチアECV2が出展することは、テクノロジーとスポーティさの点でメイド・イン・イタリアの価値を体現することになる」

FCA Italy



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