WRCスペイン:オジエ「フルターマック化は選手権リーダーにとって朗報」イベント前記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCスペイン:オジエ「フルターマック化は選手権リーダーにとって朗報」イベント前記者会見

©Toyota Gazoo Racing WRT

WRCスペイン、シェイクダウン後に行われたイベント前カンファレンスの内容(抜粋)。このスペインで8度目のドライバーズタイトル獲得を決めるチャンスが浮上しているオジエ。初日に砂利掃除を強いられるグラベル連戦をしのぎ切り、今季スペインがフルターマックラリーとなったことに喜びを見せた。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者
セバスチャン・オジエ=SO(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
エルフィン・エバンス=EE(トヨタ・ガズー・レーシングWRT)
ダニ・ソルド=DS(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
アドリアン・フルモー=AF(Mスポーツ・フォードWRT)

Q:セブ、ドライバーズタイトル、マニュファクチャラーズタイトル争いの面では、大一番となりそうだ。これまでにも何度もこの位置に立ってきた君だが、タイトルを争うのは最後になるかもしれない。気持ち的に何か違いはあるか
SO:この週末に向けて、とてもワクワクしているというのが本当のところ。ここ数戦は、選手権でのギャップを広げて、砂利掃除に対応することに重点が置かれたのであまり楽しめなかったし、自分にとってベストの戦いではなかった。チャンピオンになるための現実的な最初のチャンスだと考えているが、このラリーで優勝したいという気持ちもある。路面はまたターマックになるし、上位争いができるチャンスになる。自分たちのマシンは、この路面が得意。ラリーもすごくよさそうだ。ミックス路面の時もいいラリーだったが、フルターマックになったというのは、選手権リーダーにとっては朗報。とてもうれしいし、バトルを楽しみにしている。

Q:過去スペインでは、いい思い出も苦い思い出もある。今回、大きな変更点はオールターマックになったことだ。なじみのあるステージも多いが、新しいセクションもある。ルートについては、どう思ったか
SO:このラリーに期待できる性格のイベントになっていると思う。自分たちが知っているセクションもたくさんあるが、新しい部分もある。唯一違うのは、土曜日のSS8かもしれない。少し古いターマックで、これまでのカタルーニャでは見たことがなかった。この週末を楽しんで、このマシンでのドライビングを満喫できる素材が揃っている。今回も道のコンディションはかなり安定しているはず。雨は降らないだろう。戦いのためにもいいし、かなり激戦になると予想している。

Q:来シーズンのことについて、ジュリアン(イングラシア、コ・ドライバー)は隣に座らないというニュースが伝えられたが
SO:自分にとってはいいニュースではないね。ジュリアンは、最高のコ・ドライバーだ。これまで、ずっと自分と組んで素晴らしい仕事をしてきてくれた。キャリアのかなり始めのころから一緒に活動していた。彼がコ・ドライバーとして成長することだけでなく、自分がドライバーとして成長するうえで、このコンビであることは重要だった。自分たちは、お互いの仕事に干渉することはなかった。自分は彼を信頼していたし、彼も自分を信頼してくれていて、それが完璧なまでにうまく機能していた。もちろん、本当に寂しくなる。来年からは、新しいコ・ドライバーと始めなくてはならない。でも、彼の決断は全面的にリスペクトする。長年世界中を旅してきて、少しペースを落としたいと最初に言ったのは自分だ。特に、サーキットレースに少しずつ切り替えていきたいと考えるようになった。自分のプログラムは、将来に関してまったく明確ではないので、彼が何回ラリーをするか分からないという状況に陥りたくないのも理解できる。だから、このような決断に至った。今は、このコンビで参戦する残り2戦を楽しみ、いいリザルトで終えることに務めていくばかりだ。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:エルフィン、フィンランドで圧勝を飾り、タイトル争いへの望みをつなげた。この週末に向けて、タイトルのことはどれだけ考えているか、あるいはそのことは頭にはないのか。セブは昨日、エルフィンは失うものが何もない、と語っていたが、そのエネルギーは感じるか
EE:楽しみにしているよ。好リザルトを収めた後でスペインを迎えられてよかった。でも同時に、自分たちはまた白紙の状態からスペインをスタートすることになる。今回もラリーを楽しみ、スタートからいいフィーリングをつかんでいきたい。フィンランドと同じような流れを目指しているが、まったく異なる方法になる。チームのため(マニュファクチャラーズ選手権争い)にも、まだ仕事が残っている。この2戦でよほど悪いことでも起きない限り逃すことはない。それでも、まだやることは残っている。セブとの差も、かなり開いていることも分かっている。とはいえ、自分はラリーに勝つためにここに来ているので、ほかのことはあまり考えず、展開に合わせて心配すればいいと思っている。

Q:セッティングには満足できたか、イベント前のテストは順調だったか
EE:フィンランドでもテストはベストではなかったが、結果としてはかなりOKだった。テストは少しフラストレーションが溜まったが、最終的にここで速く走れるマシンに仕上がった。そうであるはずだと信じている。イベント前のテストですべてが思うとおりに決まらなかったとしてもね。現時点ではOKではあるが、実際にスタートしてコンディションを感じてみないと分からない。このラリーと同じような環境でテストをするのは実はかなり難しい。テストのコースはとてもクリーンでスムーズなことが多かったが、ラリーはもっと要素がミックスされる。それに、みんなカットをしたがるからね。2ループ目では、インカットで掻き出された砂利にも対応しなくてはならないので、ダイナミクスも少し変わってしまう。いつもと変わらず、ラリーが始まらないと分からない部分はある。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:チームメイトがタイトル争いのライバルだ。シーズンのこの段階でもデータは共有するのか
EE:1年の最初のラリーであろうと最後のラリーであろうと、自分たちのポリシーはオープンであることで、その状況は一切、変わることはない。セブには自分のテストでの情報をすべて与えているし、自分も彼が走った後の情報を受け取っている。隠していることは何もない。だからこそ、自分たちはステージで戦い合えるんだ。

Q:ダニ、ここは母国ラリーで、現役のドライバーではスペインで最も多く、8回ポディウムに上がっている。しかし、まだ一度も勝利はない。この週末は、この戦績に変化が生まれるだろうか
DS:もちろん、そうであってほしいね。自分たちはタイトルのチャンスがないから、隣のふたりとは少し状況が違う。でも、もちろん自分はいつでも全力だし、今年もほかの年と同じようにハードに挑む。セブも言ったように、ターマックではみんながイコールの状態に近く、みんなが同じ状況からのスタートだ。この点では、いつもより難しい。でも、自分たちのマシンはみんなと同じだし、いい戦いになるよ。

Q:このイベントが最後にオールターマックで開催された時のことを振り返ると、2日半を終えた時点でトップ10の順位に変動がなかった。今回は、もっと接戦になるのだろうか
DS: かなり接戦になるだろう。多くはみんなが知っているステージで、ハードにプッシュできる。今はマシンはどのパフォーマンスもとてもよく、どれも近いので、ターマックでのバトルは差がほとんどない。シェイクダウンのタイムを見ても分かるとおり、マシン間の差はコンマ秒レベルだ。ステージでマシンをドライブしても、かなり差は小さくなると思う。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:来季もヒュンダイからシェア参戦が決まったという素晴らしいニュースを聞いた。プログラムが確定したことを、どれだけ喜んでいるか
DS: 来季もラリーに参戦できることは、本当にうれしい。これまでとは変わらないが、ラリーに参戦できることはワクワクするよ。

Q:アドリアン、WRカーでスペインに参戦するのは初めてだ。シェイクダウンが事実上のテストになったようだが、セッティングはどうか
AF:シェイクダウンでは最初のランナバウトでストールしてしまった。シェイクダウンは、本当に興味深かったよ。ラリーで使うステージなので、経験を積んで上位との差を詰めるために走った。みんな必死でプッシュしてくると思うので、どのような差がつくのか興味深い。フィエスタはターマックで強いことは分かっているので、ここでいいリザルトを出したい。

Q:シェイクダウンがテスト代わりになったのか
AF:そのとおり、シェイクダウンがテストだった。だから、ランナバウトでストールしてしまった。事前に知っておくべきことだった。初めてだったからね。だから、シェイクダウンではたくさん走った。チームはターマックでのマシンについて豊富に知識を持っているし、自分のセッティングも2018年の時からあまり変わっていない。そう悪くなかった。(新コ・ドライバー、アレクサンドル・コリアとの)関係も深まってきたし、どんどんよくなっている。一緒に取り組んで、それが当たり前のようにならなくてはいけない。彼にとっては、今回のスペインの方がフィンランドに比べれば間違いなくラク。シェイクダウンからすぐにいい感じだったし、あとはマシンの中でも外でも一緒に作業する必要がある。でも自信はあるよ。

Q:来年のプログラムについては、いつ発表になるか
AF:一番いいのは、マルコム(ウィルソン)に聞くことだね。

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