10月15日に開催されたFIAワールドモータースポーツカウンシルにおいて、2022年のWRCカレンダー復帰が発表されたラリーニュージーランド。ラリー主催者はその喜びを表した談話を発表した。かつてWRCニュージーランドで勝利を収め、現在トヨタのチーム代表を務めるヤリ‐マティ・ラトバラや、ニュージーランドを代表するラリードライバー、ヘイデン・パッドンがコメントを寄せた動画も公開した。
ニュージーランドは2020年にカレンダー復帰が決まっていたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により苦渋の開催断念。しかし、2022年に再び、開催のチャンスをつかんだ。
WRCニュージーランドの拠点となる北島の最大都市オークランドは現在、警戒レベル3のロックダウンが施行されているが、2022年のWRC開催が決定したことで街の士気が大いに高まることに繋がると期待されているという。2022年のWRCラリーニュージーランドは、南半球の春にあたる9月29〜10月2日の会期が発表されている。
ニュージーランドは現在、国境開放に向けて動き出しており、WRCの復帰は国中のラリーファンにとって大きな希望となりそうだ。
「この最高のニュースをラリーファンやラリー関係者と共有できることを、大変うれしく思う」とラリーニュージーランドのチェアマン、ピーター・ジョンストンはコメントを寄せた。
「これまで必死の努力を続け、長い間この瞬間を待ちわびていた。昨年、COVID-19により開催を断念するまでWRC復帰に向けて苦心していたので、今回、ニュージーランドで最も象徴的なスポーツイベントのひとつであるWRCを再び開催できることになり、とてもやりがいを感じている。WRCプロモーターが選手権を再びニュージーランドで開催することを決断してくれて、とてもうれしく思う。これから詳細について取り組んでいくことが待ち切れない」
カレンダー復帰に向けて尽力を続けてきたオークランド・アンリミテッドのメジャー&ビジネスイベント部門責任者、リチャード・クラークは、オークランドにまたひとつ、世界的なイベントがやってくることはエキサイティングだと期待を寄せる。
「ニュージーランドではモータースポーツの歴史が古く、国内のファンがこのニュースを歓迎することは間違いない」とクラーク。
「特設ステージ、ジャックス・リッジで培った独自のサステナビリティのストーリーをさらに発展させ、地元のコミュニティや先住民族との良好な関係を継続し、地元の人々や観光客にタマキ・マカウラウを楽しんでいただくエキサイティングなイベントを提供するなど、WRCとタッグを組むことが合意に達したことはオークランドに様々なメリットをもたらす」
ニュージーランド出身で唯一、WRC総合優勝をマークしているラリードライバー、ヘイデン・パッドンはイベントの公式アンバサダーに任命されており、朗報に喜びを表した。
「昨年、残念ながら開催を断念していることもあり、ニュージーランドが再びWRCを開催できるという知らせに本当に満足している」とパッドン。
「自分の母国で世界のトップドライバーと戦うことを長い間、夢見ていた。ニュージーランドのラリーファンにとって本当に素晴らしい日になったし、役割を果たすことができてとても感激している」
主催者は、ただちに具体的なイベント詳細を計画する作業を始めるという。
「これでFIAからの承認が得られたので、ラリーニュージーランドはタイトルスポンサーの獲得に向けて動き出す」とジョンストン。
なお、ラリーニュージーランドは、WRCにも使用予定の特設ステージ『ジャックス・リッジ』を会場とした単独イベント『バトル・オブ・ジャックス・リッジ』の開催を、当初予定していた11月中旬から、COVID-19の感染緩和が見込まれる2月5〜6日に延期することを発表している。