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WRCスペイン:勝田貴元、高速ターマックで苦戦も貴重な経験

©Toyota Gazoo Racing WRT

勝田貴元は10月14日(木)から17日(日)にかけてスペイン北東部のサロウを中心に開催された、WRC第11戦「ラリー・スペイン」に、コ・ドライバーのアーロン・ジョンストンとともにヤリスWRCで参戦。クラッシュにより初日にデイリタイアを喫したものの、再出走した2日目以降は高速ターマックでの経験を積み、総合40位で完走を果たしている。

(以下チームリリース)


2年前の2019年、勝田はこのラリー・スペインにヤリスWRCで初めて出場しました。スペインはここしばらく、ターマック(舗装路)とグラベル(未舗装路)の両路面を走行する「ミックスサーフェス・ラリー」として行われてきましたが、今年は久々に全ステージの路面がターマックとなり、勝田にとっては新たな挑戦となりました。

勝田はラリー初日金曜日の最初のステージ、SS1でペースノートの情報を誤解し、右コーナーに高いスピードで進入。コーナーを曲がりきれず、外側のバリアに当たってクルマの左フロント部分にダメージを負いました。何とかSS1は走り切りましたが、ダメージが大きかったため、その後の走行を諦めデイリタイアとなりました。その晩、チームはサービスでクルマを修理し、勝田は最長の距離を走る翌日の土曜日に再出走。走り始めはやや自信を失っていましたが、ステージを重ねるごとに自信を取り戻しペースアップ。ラリー終盤にはトップ5タイムを2回記録するなど調子を上げ、今回がコンビ2戦目となるジョンストンと共に高速ターマックステージで多くの経験を積みラリーを終えました。

勝田貴元
今回は、残念ながら自分が思っていたようなスタートを切ることができませんでした。自分のミスです。ペースノートの情報を誤解してしまい、実際には自分が考えていた以上にタイトだったコーナーへの進入スピードが高すぎて、バリアへの衝突を避けることができませんでした。しかし、チームがクルマを修理してくれたおかげで、再出走することができました。土曜日の朝は自信が持てずにかなり苦労しましたが、一日の終わりにはフィーリングが良くなり、ステージのタイムも好転しました。そして、ラリーの終盤にはさらに良いフィーリングが得られたので、今はシーズン最終戦のモンツァが楽しみです。

Toyota Gazoo Racing WRT

ユホ・ハンニネン(インストラクター)
金曜日、タカはリスクを冒していませんでしたし、攻め過ぎてもいなかったので、あのような事になってしまったのは本当に残念です。彼は最初のステージを注意深く走り、フィーリングを高めようとしていました。ペースノートは正しかったのですが、実際よりも緩いコーナーと捉えて走ってしまいました。その後、翌日に再出走しましたが簡単にはいきませんでした。特に、上位の選手がかなりのハイペースで走っているような状況では、タカが自信を取り戻すためには少し時間が必要でした。しかし、3本目のステージで既に良いタイムが出ていましたし、金曜日の失望が大きかったことを考えると、かなり早く立て直したといえます。土曜日と日曜日の丸二日間走れたのは良かったですし、次のモンツァに向けてもプラスになったと思います。

Result
1 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 2h34m11.8s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ ヤリス WRC) +24.1s
3 ダニ・ソルド/カンディド・カレーラ (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +35.3s
4 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア (トヨタ ヤリス WRC) +42.1s
5 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ ヤリス WRC) +1m31.8s
40 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ ヤリス WRC) +1h21m33.5s

次回のイベント情報
勝田のWRC次戦は、11月19日(金)から21日(日)にかけてイタリア北部ミラノの周辺で開催される、第12戦「ラリー・モンツァ」です。昨年WRCとして初めて開催されたラリー・モンツァは、今年もシーズンの最終戦となり、有名なモンツァ・サーキットを中心にターマックラリーとして行われます。昨年勝田はSS1でクラッシュしデイリタイアとなりましたが、再出走したデイ2以降は何本かのステージでトップクラスの速さを示し、ボーナスポイントがかかる最終のパワーステージでは、WRC参戦後初となるベストタイムを記録しました。今年は、昨年よりもベルガモ周辺の山岳ステージの割合が増えており、さらにチャレンジングなイベントになる可能性があります。



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