WRCラリースペイン(ターマック)のWRC2は、エリック・カミリ(シトロエンC3ラリー2)が優勝。今大会未出走の選手権リーダー、アンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)のタイトルが確定した。
カミリは序盤、タイトルを狙うマッズ・オストベルグ(C3ラリー2)とバトルを展開する中、SS2で首位に浮上。オストベルグが金曜日午後にパンクを喫するとカミリはリードを広げ、残る2日間でも着実にアドバンテージを築いていった。
手堅いアプローチで臨んだカミリはほとんどのループでスペアを2本積んだが、ウエットコンディションとなった最終ステージでは危ない場面も。それでも、最終的に20.2秒の差をつけて勝利を飾った。
「最終ステージは雨用のセッティングにしたが、スタートは雨が降っていなかったのですごく苦戦し、ミスだったと思った」とカミリは終盤の状況を説明した。
「ステージの終盤はすごくスリッパリーだったが、多少はリスクも負ったので結果にはとてもハッピーだ」
カミリがスペインを制したことで、ミケルセンが今季のWRC2タイトルを確定することになった。このスペインまでタイトルのチャンスを残していたオストベルグとテーム・スニネンがいずれもポイント上でミケルセンには追い付けなくなったことから、最終戦を待たずにミケルセンの戴冠が決まった。ミケルセンは来月開催される最終戦ラリーモンツァに参戦する。
ラリー本拠地のサロウに設置されたサービスパークを訪れていたミケルセンは「突然、チャンピオンになったので、ものすごく妙な気分」とコメント。
「でも、これでモンツァではプレッシャーを感じることなく、思い切り走れるのでとてもいいね」
Mスポーツ・フォードを離脱したテーム・スニネンは、ヒュンダイi20 Nラリー2での初参戦を2位フィニッシュでまとめた。このラリーを迎えるまで新しいマシンでの経験を積む機会は限定的だったが、それでもステージウインを連取。最終戦モンツァでもヒュンダイから参戦することになりそうだという期待も高まる活躍を見せた。
チェコのエリック・カイスにとっても満足のいく内容となった。フォード・フィエスタ・ラリー2で迎えたWRCデビューで、ステージウインを連発。スニネンから56.1秒遅れの3位でフィニッシュした。オストベルグは、最終的にパンク2回とサスペンションのトラブルで、カイスに55.7秒遅れの4位と、悔しい結果に終わった。
米国のシーン・ジョンストン(C3ラリー2)、ゲオルグ・リンナマエ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)が続いた。この部門で唯一のリタイアとなったのは、ヤリ・フッツネン(i20 Nラリー2)。序盤からエンジントラブルに悩まされ、最終的に土曜日の日中サービスでリタイアを決めた。
WRCスペイン WRC2最終結果
1 E.カミリ(シトロエンC3ラリー2)2:44:01.2
2 T.スニネン(ヒュンダイi20 Nラリー2) +20.2
3 E.カイス(フォード・フィエスタ・ラリー2) +56.1
4 M.オストベルグ(シトロエンC3ラリー2)+1:51.8
5 S.ジョンストン(シトロエンC3ラリー2)+5:30.8
6 G.リンナマエ(フォルクスワーゲン・ポロ GTI R5) +6:39.1