世界ラリークロス選手権は、フル電動化となる2022年に、ユーロRX1でアンドレアス・バックラッドがタイトルを獲得したばかりのESモータースポーツが参戦することを発表した。チームのマネージャー、ロベルタス・カネイキスは、電動のRX1eマシンは「衝撃的な」パフォーマンスを発揮すると期待を寄せる。
リトアニアを拠点とするESモータースポーツは、元レーサーのアーネスタス・スタポンカスが創設。スタポンカスは、2014年にはユーロRXの1600マシンカテゴリーに参戦しドイツでポディウムに上がっており、2年後にヘルメットを脱いだ後はチームを立ち上げ、その運営に専念している。
チームは2019年に初めて世界ラリークロス選手権に参戦。スウェーデンとノルウェーでケビン・アッブリングがシュコダ・ファビアを駆り、いずれも4位に食い込んでいる。昨年は、元ヨーロッパラリークロス王者で世界RXでも優勝をマークしているレイニス・ニッティスを、ラトビアのダブルヘッダーに参戦させた。今季はバックラッドとヤニス・バウマニスがユーロRX1に参戦。スパ・フランコルシャンではバックラッドが最後まで競り合った激戦を制してタイトルを獲得した。
「長い間チーム内で話し合ってきたが、2022年に世界RXにESモータースポーツが参戦することが決まったことに、とても盛り上がっている」とカネイキス。
「ほんの2年ほど前は、ラリークロスがこのような進化を遂げるとは考えられなかったが、いまは明るい未来がそこまで来ている。この大きな転換期の、ほんの一部を担うことができることをうれしく思う」
「今季、ユーロRX1でこのリザルトを収めたことが、来年、スキルも経験でも上回るライバルを相手に戦おうという気持ちに火をつけた。もちろん簡単なことではないが、このチャレンジにこれまで以上に気合いが入っている。新しいプロモーターをはじめ、FIA、キットを開発したクレイゼル・エレクトリック、そのほかの関係者が素晴らしい形で2022年に成長するための道筋を作ってくれたと信じている。アーネスタスは、選手権をより持続可能なものにするという決定を喜んでいる。新しいRX1eは、言うまでもなく素晴らしいマシン。みなさんがこのマシンをコースで見る時には、必ず驚くことになると思う」
ラリークロス・プロモーターのエグゼクティブ・ディレクター、アルネ・ディルクスは「ESモータースポーツがまた世界RXに参戦することを、心から歓迎する」とコメント。
「このチームが初めて世界選手権に参戦して以来、トップクラスの決意とプロフェッショナリズムを披露してきてくれた。今年、アンドレアス・バックラッドとヤニス・バウマニスが戦いの厳しいユーロRX1で成功を収めており、最高レベルで輝くために必要なすべての資質と資格を備えていることが証明されている」
「アーネスタスは長年に渡って、電気技術と持続可能性の向上を提唱してきた。これは、世界選手権のプロモーターとしての我々が最も重要としている価値観と完全に合致する。2022年、ラリークロス界にとって見応えのあるシーズンの開幕戦から彼のチームがグリッドに並ぶのは、本当に素晴らしいことだ」