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WRCモンツァ:トヨタ、タイトルの最終決戦に臨む

©Toyota Gazoo Racing WRT

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、11月19日(金)から21日(日)にかけてイタリア北部のモンツァを拠点に開催されるWRC第12戦「ラリーモンツァ」(ターマック)に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、3台のヤリスWRCで参戦する。このモンツァでチームは、マニュファクチャラーズ選手権タイトルをかけてヒュンダイとの最終決戦に臨む。また、オジエ/イングラシア組、エバンス/マーティン組にはドライバーズ、コ・ドライバーズ、両選手権のタイトルをかけての戦いが待っている。TGR WRCチャレンジプログラムの勝田貴元も引き続き、ヤリスWRCで参戦する。

(以下チームリリース)


3つの世界選手権タイトル獲得を実現すべく
シーズン最終戦ラリー・モンツァに臨む

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、11月19日(金)から21日(日)にかけてイタリア北部で開催される、FIA世界ラリー選手権(WRC)第12戦「ラリー・モンツァ」に、セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 1号車)、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)の、3台のヤリスWRCで参戦。ドライバー選手権、コ・ドライバー選手権、マニュファクチャラー選手権の3つのタイトルが決定する、2021年シーズン最後の戦いに臨みます。

今年、チームはここまで11戦を戦い8回の優勝を獲得。2017年のデビューから5シーズン目を迎えたヤリスWRCにとって、最も多くの勝利を収めたシーズンとなっています。2022年からWRCはハイブリッドシステムを備える「Rally 1」がトップカテゴリーカーとなり、新たなる時代が始まります。そのためヤリスWRCにとっては今回のラリー・モンツァがワークスカーとして戦う最後のラリーとなり、有終の美を飾るべくチームは入念に準備を進めています。

チームは現在、マニュファクチャラー選手権で2位のライバルに対し47ポイント差を築いてトップに立っています。1戦で獲得可能な最大ポイントは52ポイントであるため、3人のドライバーのうち、ひとりでも総合7位以内でフィニッシュしてポイントを獲得すれば、チームはマニュファクチャラー王者となります。一方、ドライバー選手権とコ・ドライバー選手権については、オジエ/イングラシア組と、エバンス/マーティン組の2組のみがタイトル獲得の権利を持っています。三年連続でチームからワールドチャンピオンが誕生することは既に決まっており、今年もチームメイト同士によるタイトル決定戦となります。昨年のラリー・モンツァでは、ドライバー選手権2位につけていたオジエが優勝し、選手権1位のエバンスを逆転して通算7回目のドライバーズタイトルを獲得しました。今年は逆の展開となり、ドライバー選手権1位のオジエを、2位エバンスが17ポイント差で追う形で最終戦を迎えます。なお、オジエがWRCにフル参戦するのは今シーズンが最後であり、イングラシアは今回のラリー・モンツァでコ・ドライバーとしてのキャリアを終えることになります。

今年、ラリー・エストニアとアクロポリス・ラリーで優勝したロバンペラは、チームメイトふたりに続くドライバー選手権3位を狙える位置につけており、マニュファクチャラーズポイント獲得要員のひとりでもあります。また、昨年のこのラリーで初めてステージ優勝を獲得したTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの勝田貴元は、今回もコ・ドライバーのアーロン・ジョンストンと共にヤリスWRCで出場します。

昨年、初めてWRCの一戦として開催されたラリー・モンツァは、モンツァ・サーキット(アウトドローモ・ナツィオナーレ・ディ・モンツァ)を中心に開催されます。イタリア北部、ロンバルディア州にあるこのサーキットは、ミラノの北東約15kmに広がる美しい国立公園内にあり、F1世界選手権も開催されるなどイタリアを代表するクラシックサーキットです。サービスパークはサーキットのピットに設けられ、全16ステージのうち半分の8ステージが、サーキットの新旧レーシングコースと、その周辺に張り巡らされた施設道路が合わさった道で行われます。施設道路は一部未舗装の区間もあり、昨年のように大雨が降ると路面は泥で覆われ非常に滑りやすくなります。また、レーシングコースに関しては、現在はレースで使われていない、バンクがついたオーバルセクションも走行します。一方、モンツァの東北に位置する古都ベルガモ周辺の山岳ステージは、流れるようなコーナーが続く一般的なターマックステージです。ただし、今年よりもやや遅い時期の開催だった昨年は気温が低く、一部では降雪もあるなど非常に難しいコンディションとなり、多くのドラマが起こりました。

競技初日の19日金曜日と、20日土曜日は、午前中に山間部のステージを走行し、午後はモンツァ・サーキット内のステージを走ります。最終日となる21日日曜日は、サーキット内で3本のステージを走行。そのうち最終のSS16は、トップ5タイムを記録した選手とチームに対し、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。3日間で16本のステージを走行し、その合計距離は253.18km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は677.62kmとなります。

ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
3つの世界選手権タイトルを全て獲得することは、我々にとって夢だったので、それを達成できるチャンスがあるモンツァに臨むことに興奮しています。もし夢が叶ったとしたら、WRカー時代の終わりと、2017年のデビューイヤーに私自身もドライバーのひとりとしてドライブした、ヤリスWRC最後のラリーを最高の形で締めくくることができます。全てが計画通りに進み、マニュファクチャラーズタイトルを獲得できることを願っていますが、モータースポーツでは、フィニッシュするまでは何も決まらないことは理解しています。また、ドライバーズタイトルに関しては、セバスチャンとエルフィンのフェアな戦いを期待しています。昨年のラリー・モンツァは、雪と雨に見舞われ非常に難しいイベントでしたが、先週イタリアで行なった事前テストも、かなり多くの雨が降りトリッキーなコンディションでした。ですので、今回もまたチャレンジングなフィナーレになると予想しています。

セバスチャン・オジエ
今回のラリーが私たち、特にジュリアンにとって、このスポーツにおけるひと区切りになることは事実です。しかし、現時点ではそのことについてあまり深く考えていませんし、それが最善のアプローチだと思っています。ですので、いつも通りベストを尽くし、両タイトルの獲得に集中します。もちろん、今回のモンツァでの我々の状況は一年前に比べるとかなり有利ですし、ドライバー選手権で数ポイントリードしています。しかし、まだ終わったわけではないので、集中力を切らさないようにしなければなりません。先週、イタリアで良いテストができたので、適切なリズムでラリーをスタートし、良いパフォーマンスを発揮し、チャンピオンシップを意識しながら上位を目指して戦いたいと思います。

エルフィン・エバンス
ドライバーズタイトル獲得の可能性を残したまま最終戦を迎えることができて良かったです。可能性はゼロではないので、スコットと共にベストを尽くして戦います。できる限り最高の結果を目指し、その上で状況がどうなるのかを見極めるアプローチをとるでしょう。シーズン中盤の苦しい時期を経て、ここ数戦は好調ですが、モンツァは全く違うチャレンジになります。山岳地帯のステージはとても素晴らしいのですが、サーキットのステージは路面が非常に複雑で、流れるようなコーナーもありません。ラリー前のテストでその全てを把握することは不可能ですが、昨年の経験から、どう対処したら良いのかは理解しています。

カッレ・ロバンペラ
今年のモンツァも面白いラリーになりそうです。昨年は天気が荒れたことで特殊なイベントになりましたが、いずれにしても難しいラリーになると思います。今年は一般的な山道でのステージが多くなるので、それは歓迎すべきことです。一方、サーキット内は一本のステージにいろいろな要素が含まれていて、雨が降ると泥が多く出てトリッキーなコンディションになるでしょう。ベストな順位を狙って戦いつつ、最後までクリーンにラリーを走り切ることが今回の自分たちの目標です。チャンピオンシップを争っているチームメイトと共に、マニュファクチャラーズタイトル獲得に必要なポイントを得られる順位にしっかりつけている事が重要だと考えています。



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