今季のWRC参戦をもって現役から引退することを表明しているトヨタのコ・ドライバー、ジュリアン・イングラシア。最終戦ラリーモンツァでは、セバスチャン・オジエとともに8度目のWRCタイトル獲得に挑む。そのイングラシアは今後のプランについて、引退後もWRC界での仕事を続けたいと思っていると語った。
WRC.comのインタビューの中でイングラシアは、コ・ドライバーとして経験を活かしたいという情熱を明かした。
「自分としては何かを変える時なんだ」とイングラシア。
「これまでに築いてきた経験を、新しいチーム、新しいクルー、そしてラリー自体にも活かしたい。どんな方法でやるのかはまだ分からないし、考えているところ。この選手権はひとりでは成立しないし、少なくとも人間的な経験としては、表舞台の反対側で活動するのは自分にとってもいいことだと思う」
「ラリーには、まだ改善できることがたくさんあると思っている。安全面、プロモーション、スポーティング規定、フォーマットの上でも。もちろん、今後は次世代エネルギーも使うようになるしね。いま、僕らが暮らす世界がすごい勢いで進んでいることはみんな感じている。もっと安全に、よりシンプルに、そしてもっと楽しい部分も増えれば、ラリー界にはパフォーマンスも笑顔も増えるはずだ。みんな、ハッピーになるためにラリーをしているのだと思うから、ぜひやってみようじゃないか」
今後もサービスパークでイングラシアの姿を見かける可能性はかなり大きそうだが、コ・ドライバーとしての活動は今シーズンで終わるとあらためて伝えた。
「コ・ドライバーはもうやらない」とイングラシアは断言。
「人生の中で、絶対にないということも言えないのだろうが、自分のプランの中にはその道はもうない。自分はそれを徹底すると思うよ。自分は20年間近くコ・ドライバーをやってきた。この地球上で、これだけのレベルに到達しそれで給料をもらっている人はそう多くはいない。豪華な環境の中でチャンスに恵まれた、素晴らしい冒険だった。過去を振り返り“なんて素晴らしい旅だったんだろう”と思いながら、満面の笑みで辞めたい」とイングラシアは付け加えた。