今週イタリアで開催される今季のWRC最終戦、ラリーモンツァ(ターマック)でヒュンダイは、マニュファクチャラーズ選手権連覇のわずかな可能性にかけて最終決戦に臨む。チームはヒュンダイi20クーペWRCでの最後の参戦となるこのイベントに、ティエリー・ヌービル、ダニ・ソルドに加え、家庭の事情により欠場となったオィット・タナックに替えてテーム・スニネンを起用する。スニネンがi20クーペWRCで参戦するのは、これが初めて。
前戦のWRCスペインではヌービルが優勝、ソルドも3位でフィニッシュしておりチームがダブルポディウムを達成。この勢いを今季の最終決戦にもつなげていく構えだ。ヒュンダイ勢は今季、ターマックで好ペースを披露しており、WRCベルギー、WRCスペインを勝利している。
ヒュンダイでのターマック2戦での優勝は、いずれもヌービルによるもの。ドライバーズタイトルの望みはなくなったものの、マニュファクチャラーズ選手権連覇に向けてチームへの貢献が期待される。
「ラリーモンツァにはWRCとして開催された昨年とモンツァラリーショーとして開催されたイベントにも参戦したことがあるので、道のことはよく分かっている」とヌービル。
「サーキットのステージは独特でシケインやコーンが多くあり通常のラリースタイルとは違うが、今年は山間部のステージが増えているようだ。モンツァ・サーキットで戦うのも素晴らしい経験。今季最後のイベントなので、自分たちの目標はハードにプッシュしてトップ争いをすることだ」
母国での前戦スペインで3位フィニッシュを飾ったソルドも、2戦連続でのポディウムを狙う。
「モンツァでのラリーはいつも走るのが気持ちいいし、もちろんチームにとっても2020年にマニュファクチャラーズタイトルを決めた特別な場所」とソルド。
「サーキットと山間部のステージで構成されるこのイベントのフォーマットは、すごく好き。去年はとても楽しかったし、特に天気もトリッキーだったので、クルーもスペクテイターもこのラリーを愛していると思う。自分ももちろん、できる限り最高のリザルトを収めるためにベストを尽くす」
ヒュンダイのワークスドライバーとして初めて参戦するスニネンは、8月にMスポーツ・フォードを離脱後、前戦のスペインで初めてヒュンダイi20 Nラリー2でWRC2部門に参戦してポディウムに上がっており、今回も衝撃的な走りを披露したいと思っているようだ。
「ラリーモンツァにヒュンダイのワークスドライバーとして参加できるのは、自分たちにとって最高のチャンス」とスニネン。
「チームが掲げる目標を目指し、限界ギリギリの速さを披露する。i20クーペWRCは自分にとっては新しいマシンなので、当然、慣れるまでに多少は時間がかかる。プレイベントテストで初めてマシンをドライブしたが、勝てるマシンであることに疑いはない。モンツァは、グリップやリズムが多彩なイベント。また山間部とサーキットでは、それぞれのステージも大きく違う。シーズンの締めくくりとして、素晴らしい舞台だ!」