WRC第12戦ラリーモンツァでセバスチャン・オジエが優勝で自身8度目のドライバーズタイトルを獲得。エルフィン・エバンスが総合2位でフィニッシュしたほか、カッレ・ロバンペラが総合9位でフィニッシュした時点でトヨタのマニュファクチャラーズタイトルも決めた。目標に掲げていた3タイトル獲得を成就させたラリーを終えて、チームオーナーであるトヨタ自動車の豊田章男社長がコメントを発表した。
(以下チームリリース)
今シーズンは、どのラリーも貴元を含む4人のドライバー達の誰かが表彰台に立ってくれていました。私も「誰かが勝ってくれるだろう…」という想いを持ちながらワクワクした気持ちで全戦を見守ることができていたと思います。そして迎えた最終戦。セブは8度目のチャンピオン。エルフィンは初のチャンピオンを掛けて最後の最後まで全力で駆け抜け戦ってくれました。いちファンとしても最高にエキサイティングな気持ちにさせてもらえました。「こんなにもエキサイティングな走りを最高峰の道でヤリスが…」我々トヨタにとっては本当に夢のような話です。そんな気持ちにさせてくれた2台のクルー達に心から“ありがとう”と伝えたいと思います。そしてその戦いを制したセブ、ジュリアン、チャンピオンおめでとう! 今日も最後まで全力でエルフィンを迎え撃った君たちの走りに心から敬意を表します。8度のチャンピオン獲得は本当に偉大な記録です。その内2回がトヨタでのチャンピオンであることを我々も誇りに思います。本当にありがとう!
我々は同時にマニュファクチャラーズタイトルも獲得することができました。「マニュファクチャラーズタイトルも絶対に獲る…」「同時にセブとエルフィンにも心おきなく戦ってもらう…」この2つを成し遂げようとチームは心をひとつに最終戦に臨んでくれていました。自分が上位にいればチームタイトルは決まると分かっていたカッレの走りがまさにこのことを示していたと思います。カッレ、ヨンネ、チームのためにありがとう。このような采配でチームが笑顔になれたのはヤリ-マティがいたおかげです。ドライバー出身のヤリ-マティは“ドライバーファースト”の想いに溢れたリーダーでした。チームの判断の全てがドライバー視点でなされていたからこそドライバーみんなが笑顔でシーズンエンドを迎えているように思います。同時に、ヤリ-マティは“負け嫌い”です。きっと私と同じくらいかもしかしたら私以上かもしれません。要所要所で見せてくれた“負け嫌いな采配”がこのチームを強くしてくれたと思います。
ヤリ-マティが私を驚かせてくれたことはもうひとつありました。メンバーとの丁寧なコミュニケーションです。早朝のサービスパークでメンバーひとりひとりに“おはよう”を言ってまわるヤリ-マティを映像で見せてもらいました。そんなヤリ-マティがいたからフィンランド、エストニア、ドイツ、日本にまたがる総勢200名のメンバーの心がひとつになったと思います。目指していた“ドライバーファーストのチーム” “家庭的かつプロフェッショナルなチーム”を実現してくれて本当にありがとう。そして、このチームは2017年からヤリスWRCを強くし続けてくれました。2017年、最初のラリーの時に私がみんなにお願いしたのは「シーズンの最後に走るヤリスが一番強いヤリスになるようにしよう」でした。ヤリスWRCは5年間で59戦の道を走り、勝てなかったラリーからも、勝てたラリーからも多くのことを学びました。チームは本当に最後のヤリスを最強にしてくれたと思います。そのことにも改めて感謝します。みんな、ありがとう!
来年からは新たなレギュレーションのクルマに変わります。その開発も佳境を迎えているとのこと、今年もみんなはクリスマス休暇を返上して準備を進めることになってしまうと思います。チームのみんなやご家族には苦労を掛けますが、引き続き、力を貸してもらえればと思います。来シーズンもファンの皆さまにエキサイティングな気持ちになってくれるようなクルマを準備していきましょう! そして、一戦一戦を走りきってもっともっと強いヤリスをみんなでつくっていきましょう! ファンの皆さまもTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamの新たなクルマ、新たな戦いを楽しみにしていただければと思います。
引き続き応援よろしくお願いいたします。!