ヒュンダイ・モータースポーツは12月7日、チーム代表のアンドレア・アダモと6年間にわたる協力関係を解消することで双方が合意したことを発表した。アダモは即日、チーム代表を退任。理由は「一身上の都合」としている。アダモは、WRC、PURE ETRC、カスタマーレーシング事業の監督を務めていたが、これらを含む業務は、後任者が決まるまで一時的にヒュンダイ・モータースポーツのスコット・ノー社長が担当、各部門の責任者がサポートするとしている。
アダモは2015年の12月にヒュンダイ・モータースポーツに加入し、カスタマーレーシング部門の責任者に就任。同部門は、ヒュンダイのマシンを駆る数々のチームやドライバーが成功を収めるなど、すぐにその存在を確立した。2018年、2019年にWTCRでタイトルを連覇したことで、世界中のカスタマーの評判を確固たるものとした。WRCでは、2019年にミシェル・ナンダンの後任としてチーム代表に就任すると、その年にマニュファクチャラーズタイトルを獲得。翌2020年には連覇を達成し、ヒュンダイi20クーペWRCの実力を証明した。
ヒュンダイ・モータースポーツはWRCは2022年からハイブリッドの新規定ラリー1マシンの導入を控え、開幕戦となる1月20〜23日のラリーモンテカルロに向けてマシンのテストも佳境を迎えているが、2シーズン目を迎えるETCRやカスタマーレーシング事業を含め、アダモの離脱がプリペア業務に影響することはないとしている。
アダモは「ヒュンダイ・モータースポーツで6年間活動してきたが、チーム代表から退くことで双方が合意に達した。自分のキャリアの中でも絶え間なく成功を収めた日々を、振り返る時が来た。高ポイントを獲得したイベント、幸せな思い出、そしてタイトル獲得も達成した日々だった」と語った。
「羨望の的となったカスタマーレーシング部門の構築からWRC、WTCRでのタイトル連覇まで、自分たちが果たしてきた成果を誇りに思っている。社の今後の発展を心から祈っている」
ヒュンダイ・モータースポーツのノー社長は「WRCとWTCRでタイトル連覇も果たしたこの6年間、アンドレアの多大なる尽力に感謝したい。一緒に過ごした日々は非常にポジティブな時間であったし、彼の今後の成功を心から願っている」とコメント。
「1月のラリーモンテカルロから始まる2022年シーズンに向けての運営は、予定どおり進めて行く。我々のモータースポーツ活動を通じて、世界中でヒュンダイのハイパフォーマンスをさらに証明していく」