ダカールラリー2022は1月7日、リヤドをループする行程にステージ6、348kmが設定された。休息日前の最後の競技日となったこの日は、カー部門は4WD勢の前に2WDが走行するスケジュール。リヤドの東部を走るこの日のステージでは、BRXのオーランド・テラノバ(プロドライブ・ハンター)がトップタイムをマークした。アルゼンチン出身のテラノバにとっては、2015年に母国を走行したダカール以来遠ざかっていたステージ勝利を味わうこととなった。
一方、トヨタ・ガズーレーシングのナッサー・アル‐アティヤはこの日を10番手タイムでまとめ、49分近くのリードを築いての総合首位で休息日を迎える。
「いいリードを築いてダカールの一週目を終えることができた」と、サウジアラビア開催のダカールでの初勝利を狙うアル‐アティヤは満足を見せた。
一方、前日まで総合2番手でアル‐アティヤを追っていたBRXのセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンター)は、ナビゲーションのミスから50分以上をロス。オーバードライブ・トヨタのヤジード・アル‐ラジ(トヨタ)の先行を許し、3番手で後半戦の巻き返しを狙う。
「複雑なコースだった。100kmあたりの地点でルートを見失い、かなりのタイムロスになってしまった。そこからは、先との差を詰めるために全力を尽くした。まだ先は長いし、ラリーの中盤なので、プッシュを続けジェッダに戻るまでにいいタイムも出したい。マシンは強くで速く、今日はオーランドがステージ勝利もマークしている。見事だった」とローブ。
アウディ・スポーツ勢にとってのダカール一週目はドラマの多い展開となった。滑り出しに苦しんだものの、ステージ3ではカルロス・サインツがフル電動パワートレーンのRS Q e-tronに初ステージウインを献上し、この日はマティアス・エクストロームが2番手タイムをマーク。優勝争いからは大きく後れを取ったダカール参戦14回目のステファン・ペテランセル(フランス)は、スーパーアシストを務めるという場面が見られた。
「チームメイトふたりの後ろからスタートし、スペアパーツを載せながら影のように走った。カルロスのマシンのショックアブソーバーが破損したので、新しいパーツを与えた。その後、再びカルロスに会った時にはタイヤを1本なくしていたので、タイヤ交換を手伝った」とペテランセルはこの日の様子を語る。
日本勢では、チームランドクルーザー・トヨタオートボデーが走らせる2台のトヨタ・ランドクルーザー200は、この日も三浦昂とロナルド・バソが市販車部門1-2タイムをマーク。累積順位でも三浦が総合41番手、バソが総合45番手とそれぞれ順位を上げ、部門1-2を堅守して前半戦を終えた。
この日の三浦は度重なるアクシデントに見舞われたが、最後までパンクもスタックもなくこの日を走り切った。
「今日はまずローランのタブレットが壊れ、続いて途中のニュートラルゾーンで左側前後のタイヤの損傷を発見。細心の注意を払って走行していたら、最後はステアリングが重くなる不具合が出て大変だった」と三浦。
ハイブリッド仕様のHINO600を投入している日野チームスガワラの菅原照仁は、1月6日のステージ5をトラック部門12番手タイムでフィニッシュ。累積順位もひとつ上げての19番手に浮上している。
「今日はリアサスが良くなったことを確認できた。後ろから異音が出るようになったのは気になるが、まずは順調に進んでいる。ハイブリッド制御の最適なセッティングは走行するステージの状況によっても変わるので難しいが、引き続きトライを続けて行く」と菅原。
8日は競技走行はなく、ダカールラリー2022年は休息日を迎える。競技後半は、14日にジェッダで迎えるフィニッシュまでに再び2000kmの走行が待っている。
2022ダカール暫定結果(ステージ6終了時点)
1 N.アル‐アティヤ(トヨタ) 20:37:24
2 Y.アル‐ラジ(トヨタ) +48:54
3 S.ローブ(プロドライブ・ハンター) +50:25
4 G.ド・ヴィリエール(トヨタ) +51:56
5 L.アルバレス(トヨタ) +1:06:58
6 J.ライゴンスキー(MINI) +1:16:25
7 V.バジリエフ(MINI) +1:22:08
8 O.テラノバ(プロドライブ・ハンター) +1:24:00