2022年WRC開幕戦ラリーモンテカルロにMスポーツ・フォードから参戦するセバスチャン・ローブ。プロドライブが運営するバーレーン・レイド・エクストリーム(BRX)からダカールラリーに参戦し、カー部門総合2位でサウジアラビアのジェッダでフィニッシュを迎えた2日後には、ラリーモンテカルロ向けのプレイベントテストのためにフレンチアルプスに向かうという弾丸移動となった。
ローブがWRCに参戦するのは1年以上ぶりとなるが、今週のラリーモンテカルロではレッドブルの支援を受けてハイブリッドの新規定ラリー1仕様のフォード・プーマ・ラリー1をドライブする。過去モンテカルロでは7勝をマークしているローブが、BRXからサウジアラビアでの長距離イベントに参戦した直後に世界で最も難関なラリーに参戦するという契約は、難航するようにも見えた。しかし、プロドライブはローブのWRCへの参戦を快諾。残る課題は、時間どおりにジェッダからヨーロッパに戻る移動だけとなった。
ダカールは中東時間の14日金曜日午後にフィニッシュを迎えたが、ローブは土曜日の早朝には機上の人に。ジュネーブに戻り手短に荷物を変えた後、ヘリコプターに飛び乗りアルプスを越えて、ギャップ近郊にあるMスポーツのテストエリアに向かった。
「日曜日の午前には彼がマシンに乗る姿を見ることができて、とてもうれしかったよ」とMスポーツ・フォードのチーム代表、リチャード・ミルナー。
「セブがここに来るまでに、契約面でも、ビッグイベントからまた別のビッグイベントに移動する面でも、多くの人が努力してくれた。彼は非常にプロフェッショナルで、ダカールからモンテに到着して最初に会話をした時点で、彼は何をするべきかを分かっていた。日曜日のテストは順調だった。トラブルは一切なく、彼も疲れは見せなかった。彼は気持ちを切り替えて、エネルギーも十分。見事だよ。これで、自分たちも今週のことに専念して、何ができるかを求めていく」
ミルナーは、ローブの結果を予想する点で慎重を見せた。
「セバスチャンに関してはポディウムに上がれたら上々だと思う」とミルナー。
「それさえもかなり楽観的な見方かもしれないし、これはラリーモンテカルロであり、何が起きても不思議ではないことも頭に入れておくべきかもしれない。その点では、誰が勝っても不思議ではない。彼のために言えば、彼はほかのドライバーよりもこのマシンに乗った時間が少ないし、WRCから1年以上遠ざかっているということも、忘れてはならない」