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WRCモンテカルロ:オジエ「準備万端で今大会を迎えられた者はいない」イベント前記者会見

©Jaanus Ree / Red Bull Content Pool

WRCモンテ、レッキ終了後に行われたイベント前カンファレンスの内容(抜粋)。WRカーから一新されるハイブリッドの新規定ラリー1マシンが導入される2022年シーズン。新マシンの初実戦をシリーズでも最もトリッキーな1戦で迎えることに対し、2021年ドライバーズチャンピオンでモンテカルロでも何度も勝利を飾っているオジエでさえも新たなチャレンジが山積みであることを伺わせた。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者
セバスチャン・オジエ=SO(トヨタ・ガズーレーシングWRT)
ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・シェル・モビスWRT)
セバスチャン・ローブ=SL(Mスポーツ・フォードWRT)

Q:現チャンピオンのセバスチャン・オジエ、WRCの新しい時代が始まろうとしている。ここ数週間、テストを重ねてきたが、このマシンについてどう考えるか。どんな期待を寄せているか
SO:みんなが答えを探しているし、その最初のひとつは、この週末でしか分からない。テストは行ってきた。自分個人的にはあまり多くはないが、チームはもっと重ねてきている。新しい時代が始まるための準備が整ったという手応えは、どれだけ準備を重ねても感じられず、もっとテストをしたいという気持ちになるものだ。興味深いが、パフォーマンスの面で自分たちにどれだけの力があるのかは、考えはまとまらないね。もちろん、マシンはこれまでとは違うし、部分的にハイブリッドからブーストは得られるが、多少遅くなることは承知しなくてはならない。全体としては、現状では昨年よりは少し速度が落ちるだろうが、それはすぐに改良されていくと思っている。ドライバーにもチームにとっても、新しいチャレンジだ。ドライビングスタイルの面でも、調整しなくてはならないかもしれない。この週末を万端の準備で迎えられた人は誰もいない。より早く対応できた者が、ライバルに差をつけられるのだろう。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:割合として、100%のうち、どれくらい対応や変更が必要になるのか
SO:そのように数字で表すのは難しい。もちろん、違いはある。マシンはアンダーが強くなって、より重くなり、タイヤの発熱量もこれまでより増えている。どうなるかな。自分はこれまでのキャリアの中で、マシンが新しくなった時のイベントでは勝っているので、新しい時代を迎えることも恐れてはいない。特に、選手権のプレッシャーがないからね。もちろんモンテカルロだから、自分のためにもチームのためにもいい走りをしたい。

Q:テストでは何km、走行したか
SO:12月に3日間行い、1月にもう1日。うち、1日はクラッシュで半分しかできなかった。この新しいマシンでは、たくさんクラッシュが起きている。この週末には、そうならないことを祈るよ。

Q:これまでで最も安全なラリーマシンなのでは
SO:パフォーマンス以上だ。もちろんドライバーは、常にドライビングとパフォーマンスと楽しむことを求めている。できる限り最も安全な環境で楽しめるようにね。危険は常に伴うが、FIAや関係者のみなさんが安全性を向上させるために全力を尽くしてくれたことはうれしい。

Q:ティエリー、順応面ではどうか。新しいマシンには慣れたか
TN:セブが言ったように、どこまで準備ができているのかを測るのは難しい。変化は恐れていない。このマシンで相応の距離を走り込んできたし、フィーリングを向上させることもできた。マシン、技術、ステージの性格、新しいことがたくさんある。それに、天気もこれまで自分が見てきた以上にドライになりそうだ。毎日、サービスがなく1日が長いので、メカニックになる場面があまりなく楽しめることを願うよ。

Q:ドライではどれくらいテストを行ったか
TN:新しいマシンでスノーを走っていないドライバーは自分だけだと思う。テスト中、雪はあったがあまりに量が多かったので自分はこの日はスキップして、もっといいコンディションの日を選んだ。でも、それが不利になるとは思わない。コンディションはかなり安定しそうだからね。これまでよりも、かなりドライになると思う。できることは精いっぱいやった。忙しかったが、うまくやりこなしてきたし、みんなと同じように自分たちも楽しみにしている。

Hyundai Motorsport GmbH

Q:センターデファレンシャルがなくなったことや、エアロが変わったことで、どのように難しくなるか
TN:テストでは感じはよかったが、ステージで異なる路面を走ってみないと分からない。スパイクタイヤでスノーでは走っていない。語るのは難しい。以前、アクティブデファレンシャルがついた時にもマシンに対応したのだから、マシンに自分のスタイルを合わせることは可能だ。これからは、シーズン全体を通して3人のドライバーを通じて、デファレンシャルの角度を変更しなくてはならない。折り合いをつけていかなくてはならないが、それをうまくやることもドライバーの仕事だ。

Q:セブ、まずはダカールでのリザルト、おめでとう。今回参戦する人の中には、何週間も寝ていない人がたくさんいるが、君も同じだ! まず、このイベントに向けての気分と、テストでの内容はどうだったか
SL:疲れはないよ。問題ない。ダカールが順調に進んでいる時は、午後の中盤にはサービスパークに戻っていたので、いいダカールだった。砂丘で眠ることはなく、毎晩ベッドには入っていた。別のことに切り替えなくてはならないだけだ。

Q:プーマと、ハイブリッドシステムに切り替わることについて、どう思うか。馴染むまでどれくらい厄介だったか
SL:マシンはかなりパワフル。セブとティエリーが、すでに全部話してくれた。一時的にはパワーを増やせるが、このフルパワーはあまり安定しない。いつそのパワーが必要になるか、予測しなくてはならない。重量も増えるし、センターデファレンシャルがなくなり、またマニュアルシフトに戻った。速くなるのか遅くなるのか分からないが、マシンのフィーリングはかなりいい。バランスもかなりいい。低速コーナーでは、少しアンダーが出る。今回、参戦できてうれしいよ。

M-SPORT

Q:このようなコンディションを見たことはあるか
SL:すごくドライだね…どうかな。道のサイドにも雪がないフルドライのチュリニを走ったことがあったかどうか、思い出せない。ソフトタイヤで走るターマックラリーのようだ。

Q:今季、このほかにも参戦はあるか
SL:分からないね。もしかしたら。自分たちは一戦についてしか話をしていない。このほかの参戦については、今後、話をすることになるだろう。すべてのプログラムを一度にまとめるのは、ややこしすぎるので、残りは後で話し合う。

Q:もっと参戦したいと思うか
SL:そうだね。でも、副業的にどのようにするかは分からない。自分はエクストリームEと、たぶん世界ラリーレイド選手権もやるかもしれないが、一年に15戦も出たくない。いいまとめ方を見つけなくてはならない。

記者席からの質問
Q:マキシム・マレ(エキップ、フランス)
新しいコ・ドライバーについて、起用した理由は。どのような選手か。レッキではどうだったか

SL:ダニエル(エレナ)以外で、自分が一番組んだことのあるコ・ドライバーだ。ダニエルがテストに参加できない時に、彼女が乗ってくれていた。自分のノートを理解してくれているし、自分も彼女のコールに慣れている。ラリーへの情熱があり、自分の友人でもある。喜んで自分の隣に乗ってくれるだろうって分かっていた。
SO:自分たちも同じだ。彼は昨年、テストで一番隣に乗ってくれていたし、ジュリアン(イングラシア)が引退すると決めた時、一番最初に彼の名前が頭に浮かんだ。テストと実戦では仕事が違う。彼にとってはステップアップなので、少しプレッシャーを感じているようだ。だから、彼をリラックスさせてあげようとしている。いい仕事をするための一番の方法は、プレッシャーのことを考えすぎないことだ。

Q:ヨースト・カスタース(Autosportwereld.be、ベルギー)
スノー&アイスのステージはシステロンだけだ。タイヤ選択はギャンブルになるか

TN:セブが自分のチョイスを教えてくれるよ!
SO:タイヤチョイスについて語るのは難しいが、このステージに関しては、スリックタイヤ以外のものが必要になることは明白だ。しかし、何が起こるかを見ていかなくてはならない。部分的に雪がなくなることもあり得る。しかもこのステージは、ドライのステージ2本と続くので、全員がどこかでスリックタイヤを4本装着することになるだろうね!

Q:マルコ・ジョルド(オートスプリント、イタリア)
セバスチャン・オジエ、今季のWRC参戦プログラムについて、何かニュースは

SO:まもなく、かな。2月の初めには、自分のサーキットの参戦プログラムについてお伝えできると思うし、それからラリープログラムについてももう少し話ができるようになると思う。



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