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WRCモンテカルロ:競技3日目、セバスチャン・オジエが再び首位に。勝田は13番手

©TOYOTA

2022年WRC第1戦モンテカルロは1月22日(土)の競技3日目が行われ、トヨタのセバスチャン・オジエが首位、2番手にMスポーツ・フォードのセバスチャン・ローブ、3番手に同じくMスポーツ・フォードのクレイグ・ブリーンがつけている。総合5番手につけていた勝田は、この日最後のSS13でスタックし、大きくタイムをロスしてしまった。

この日行われたのはSS9〜SS13の5SS、SS距離92.46kmで争われる。この日のSS11/13は冬季通行止めとなっているため、路面は凍結している可能性が高い。各車ともソフトコンパウンドタイヤを軸に、スタッドタイヤやスタッドレスタイヤを組み合わせてステージへと向かっていった。各車の組み合わせは以下のとおり。

ソフト4本+スタッド2本
エルフィン・エバンス/オリバー・ソルベルグ

ソフト4本+スタッドレス2本
勝田貴元/カッレ・ロバンペラ

ソフト4本+スーパーソフト1本
ティエリー・ヌービル/オィット・タナック

ソフト3本+スーパーソフト1本+スタッド2本
セバスチャン・オジエ

ソフト2本+スーパーソフト2本+スタッド2本
セバスチャン・ローブ/クレイグ・ブリーン/ガス・グリーンスミス

オープニングステージのSS9を制したのはエバンス。SS2番手にロバンペラ、SS3番手にオジエが続き、トヨタ勢が席捲するステージとなった。総合首位のローブはスーパーソフトタイヤが裏目に出てしまいSS7番手タイムと奮わず。それでも6.5秒差で首位の座を守っている。このSSではタナックが左リヤタイヤをパンクさせてしまいタイムロス、先頭走者のソルベルグもインターコムが聞こえないトラブルが前日から続いている。

続くSS10、ベストタイムをマークしたのはオジエ。SS2番手にはエバンス、SS3番手にロバンペラと、トヨタ勢は引き続き好調ぶりを見せる。ローブはオジエから6.5秒差のSS4番手。これでふたりは同タイムで総合首位に並ぶこととなった。先頭走者を務めていたソルベルグは右コーナーで外側に膨らみコースアウト、幸いダメージは外装のみで、フロントバンパーを失いながらもコースに復帰したが、このステージだけで35分の遅れを喫してしまった。またヌービルはこのSSのTCに入るのに1分遅れ、10秒のペナルティを科されることに。マシンバランスにも不具合を抱えており、このSSでブリーンにかわされて総合5番手にドロップしている。

M-SPORT


氷雪路での戦いとなったSS11。上位陣はグリップの平均化を狙ってスタッドタイヤをクロス装着しスタート。一方、ヌービルとタナックはドライ区間でのスピード向上を狙い、通常のタイヤでアタックを敢行する。ステージを制したのはオジエ。SS4番手フィニッシュのローブに5.4秒差をつけて、単独首位に躍り出た。ここまで総合3番手につけていたエバンスは、ドライ区間の右コーナーでコースアウト、危うく崖から落ちるところでマシンは止まったものの、スタックから脱することができず。エバンスのマシンの引き上げのため、ステージはローブが走行した時点で赤旗が出される結果となった。このステージでタナックは右フロントタイヤをスローパンクチャー。すでにタイヤを1本を使い切ってしまっているため、ここでラリー続行は不可能となった。

午後のステージに向けたタイヤフィッティングゾーンでは、各車ともソフトとスノータイヤを組み合わせた選択となった。ヌービルのみがソフトとスーパーソフトを組み合わせている。

ソフト4本+スタッドレス2本
オジエ/エバンス/ロバンペラ/勝田

ソフト4本+スタッド2本
ローブ/ブリーン/グリーンスミス/ソルベルグ

ソフト3本+スーパーソフト2本
ティエリー・ヌービル

SS10の再走となるSS12は、ロバンペラが今大会初のベストタイムをマーク。ローブが僅差のSS2番手、同じく僅差のSS3番手にオジエが続く結果となった。これで総合首位オジエと総合2番手ローブの差は5.0秒となった。総合4番手につけていたヌービルは、右フロントサスペンションを破損。トップマウントが突き抜けてしまいボンネットにもダメージを負う状態に。これでステージは走り切ったものの、ヌービルは3分40秒3という大きなロスを喫して総合6番手にドロップ。代わってロバンペラが総合4番手、勝田が総合5番手に浮上している。

この日最後のSS13は、氷雪路となったSS11の再走ステージ。ここでは前のステージに続き、ロバンペラが連続ベストタイムを刻んでみせた。続くSS2番手はオジエ。SS3番手にはソルベルグとブリーンが同タイムで並び、ローブはSS5番手。これで総合首位オジエとローブの差はさらに拡大、21.1秒差で最終日に臨むこととなった。このSSでは勝田がスタック。観客の助けを借りて無事にフィニッシュまで走り切ったが、大きくタイムを失ってしまった。なお、首位を争うオジエとローブは、ともにスノータイヤを使わず、ドライ区間でのタイムアップを狙いソフトタイヤ4本でのアタック。SSフィニッシュ後のインタビューに対してオジエは、「セブ(ローブ)がスリックタイヤを履いているのが見えたから、スタート前のギリギリで僕らも交換したんだ」とコメントしている。

HYUNDAI


3日目を終え、総合首位オジエと総合2番手ローブの差は21.1秒。総合3番手のブリーンはオジエから1分26秒差となっており、優勝争いはふたりのセブに絞られたかたちと言えそうだ。総合4番手にはロバンペラ、総合5番手にグリーンスミス、総合6番手にはトラブルを乗り越えて走行を続けるヌービルがつけている。勝田はSS13でのスタックが響き、総合13番手に順位を落とし、最終日の挽回を目指す。

1月23日(日)の競技最終日はSS14〜SS17の4SS、SS距離67.26kmで争われる。19.37kmと14.26のSSを2度ずつ走行する構成。2022年WRC最初のウイナーが決まる1日となる。オープニングのSS14は日本時間23日(日)16時45分スタート。

WRCモンテカルロ SS13後暫定結果
1. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:19:43.1
2. S.ローブ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +21.1
3. C.ブリーン(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:26.0
4. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:03.8
5. G.グリーンスミス(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +6:33.8
6. T.ヌービル(ヒュンダイi20 Nラリー1) +7:44.1
7. A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 evo) +9:37.2
8. E.カイス(フォード・フィエスタ・ラリー2) +9:59.6
9. G.ミュンスター(ヒュンダイi20 Nラリー2) +10:44.1
10. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +11:44.1
13. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +12:23.3



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