2022年WRC開幕戦ラリーモンテカルロ、WRC2は2021年チャンピオンのアンドレアス・ミケルセンが制し、タイトル防衛に向けて順調に滑り出した。
WRCマニュファクチャラーチームからラリー1マシンでの参戦復帰を目指しているミケルセンだが、今季の開幕戦も再びWRC2部門での参戦となった。WRC2部門では序盤、シトロエンC3ラリー2のステファン・ルフェーブルがリードしていたが、土曜日2本目のSS10でクラッシュ。ここでミケルセンが首位に浮上した。
ミケルセンがルフェーブルと同じミスをすることはなかったが、この日最後のSS13で右フロントタイヤをパンクした時には、優勝の望みも消える寸前に追い込まれた。しかし、今戦からコンビを組むトルステイン・エリクセンとともに迅速にタイヤ交換を行い、リードを守ったまま最終日を迎えた。
最終的に、55.4秒という大差で2年連続でモンテカルロのWRC2制覇を達成したミケルセンは
「最高の形でシーズンを滑り出すことができた」と笑顔を見せた。
「トルステインは最初のステージから本当に素晴らしい仕事をしてくれて、自分もすごく満足。それでも、コンディションはとてもトリッキーだったが、かなりうまく乗り切った」
2位で続いたのは、チェコのエリック・カイス(フォード・フィエスタ・ラリー2)。WRC参戦は2度目だが、いずれもポディウムに上がっている。カイスは、今季からWRC2に創設されたWRC2ジュニアでのトップフィニッシュを飾った。
このWRC2ジュニアでカイスに1分12秒1差の2位に入ったのは、トクスポーツのニコライ・グリアジン(ファビア・ラリー2 Evo)。ナイト走行のSS2で石にヒットし、3分近くのタイムロスを喫する厳しい滑り出しとなっていたが、グレゴワール・ミュンスター(ヒュンダイi20 Nラリー2)、ヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)の不運により、WRC2部門総合では3位フィニッシュとなった。「タイトルを目指して取り組んでいるので、ポディウムに上がってポイントを獲ることができてよかった」とグリアジンは安堵を見せた。
ミュンスターとロッセルはいずれも、日曜日最初のSS14でパンクを喫して後退。シーン・ジョンストン(C3ラリー2)もこれにより順位が上がり、4位でのフィニッシュとなった。ミュンスターは、ジョンストンに32秒遅れ。ロッセルは、首位から3分半近く遅れての6位に終わったものの、パワーステージを制したことで貴重なボーナスポイントを獲得している。
一方、エリック・カミリ(C3ラリー2)は一時首位に立ったが、金曜日にサスペンションを破損しリタイアを喫した。マルコ・ブラシアも、SS12でファビア・ラリー2 Evoのエンジントラブルにより、戦線を離脱している。
WRCラリーモンテカルロ WRC2部門最終結果
1 A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) 3:12:06.6
2 E.カイス(フォード・フィエスタ・ラリー2) +55.4
3 N.グリアジン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +2:07.5
4 S.ジョンストン(シトロエンC3ラリー2) +3:08.7
5 G.ミュンスター(ヒュンダイi20 Nラリー2) +3:14.2
6 Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +3:28.3
7 C.イングラム(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +3:46.6
8 M.ミーレ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +8:58.7
パワーステージ順位
1 Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) 9:11.024
2 G.ミュンスター(ヒュンダイi20 Nラリー2) +1.721
3 A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1.979