Mスポーツ・フォードは、2019年のWRC2チャンピオンであるフランスのピエール‐ルイ・ルーベと今季のWRC7戦についてフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1で参戦する契約を結んだ。
現在24歳のルーベは、2017年にMスポーツ・フォードからフォード・フィエスタR5でWRC2選手権に参戦。ここで成長を続け、シュコダ・ファビアR5で参戦した2019年にはラリーポルトガルでWRC2初勝利をマーク、総合でもトップ10に食い込んだ。この年はサルディニアでも勝利を重ね、シーズン最終戦のスペインでタイトルを決めた。
その後、WRカーでの参戦経験を積み始め、2021年はヒュンダイ2Cコンペティションから、ヒュンダイi20 クーペWRCで参戦し安定して成長を続けている。Mスポーツ・フォードは、今季から導入されたハイブリッドの新規定ラリー1仕様のプーマ・ハイブリッド・ラリー1でのデビュー戦となったラリーモンテカルロを優勝で飾るなど、勢いに乗っている。この新型マシンで臨む2022年シーズンは4月のクロアチアラリーを皮切りに、ポルトガル、サルディニア、エストニア、フィンランドまたは開催国未定戦、ギリシャ、スペインの7戦でルーベを起用し4台体制を敷く。
ルーベは「今年、このチームの一員として参戦できるなんて、本当にアメージング!」と喜びを隠さない。
「チームのモンテカルロでのパフォーマンスは素晴らしかったし、プーマはまるで野獣のよう。本当にすごかった! ドライバーなら、最高のマシンに乗りたいと思うし、自分のポテンシャルを最高の形で見せたい。今季、自分にはその環境が必要だった。 自分にとって重要なシーズンだし、Mスポーツのことはよく知っているので、いい走りをするためのすべてが揃っているはずだ」
「夢が叶ったようなもの。どんなドライバーでも、キャリアの中でベストのマシンに乗りたいと思う。WRCフル参戦2シーズン目の自分にそれが起こったんだ。超ハッピーだよ。これを実現させてくれたマルコム(ウィルソン)とリッチ(リチャード・ミルナー)に心から感謝したい。 ともに戦い素晴らしい活動ができると確信しているし、自分の本当のポテンシャルを見せていきたい」
Mスポーツのマネージングディレクター、マルコム・ウィルソンは「若い才能を取り上げて育成していくことはMスポーツのWRCプログラムの核となる要素であり、ピエールがトップレベルでチームに参加することも、同じくその一例だ」と語る。
「2017年に彼と一緒に活動した後も連絡を取り続けてきたが、その間の成長は素晴らしいものだった。2019年にWRC2タイトルを獲得したことは特に大きな成果であり、そのままWRCへ進むのは大きなステップアップだということを彼はしっかりと受け止めている。今年を通して彼の成長を見守っていきたいし、我々はプーマの実力を知っているので、この機会にピエールが輝く姿を見ることができると確信してる」
Mスポーツ・フォード・ワールドラリーチームのチーム代表、リチャード・ミルナーは「Mスポーツにまたフレンドリーな顔ぶれが戻ってくるのは、素晴らしいこと。彼がWRC2でフィエスタR5をドライブしていた時に一緒に仕事をしていたし、素晴らしい人間だ」と語る。
「ここ数シーズンは様々なマシンで貴重な経験を多く積んできたので、プーマ・ハイブリッド・ラリー1でどのような成長を見せてくれるのか、本当に楽しみ。またひとりの若くて有望な才能が、このエキサイティングな新マシンで最高レベルの競技に安定して参加することは、ラリーにとっても素晴らしいことだ」