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WRCスウェーデン事前情報:新しい拠点で迎えるシリーズ唯一、ラリー1にとって初のフルスノーラリー

©Hyundai Motorsport GmbH

新たなハイブリッド時代を迎えた今季のWRC。その2戦目は、氷点下の寒さの中で熱い戦いが繰り広げられるスウェーデンで迎える。

WRCが創設された1973年から常にカレンダーに入っているラリースウェーデンだが、昨年は新型コロナウイルスの感染流行の影響を受けて、苦渋の開催キャンセルを余儀なくされた。今年は、よりスノーコンディションが充実した北部の学園都市、ウメオに拠点を移動。これによりラリールートは一新されたが、スノーラリー独特の豪快な走りが見られるという期待が裏切られることはないだろう。速度域の高いコーナーで、マシンのフロントを雪壁に当てながらスタッドタイヤで得られるグリップを活かしてクリアしていく豪快なドライビングは、スノー&アイスコンディションのラリーならではの醍醐味だ。

スウェーデンでは2021年に販売された自動車のうち、電気自動車の割合は45%を超えるという。まさにラリー1マシンが新時代の走行を披露するのにふさわしいロケーションのひとつだ。

■エントリー状況
今回のラリースウェーデンには、10台のラリー1マシンがエントリー。2021年チャンピオンのセバスチャン・オジエの名前はないが、トヨタはエサペッカ・ラッピをトヨタGRヤリス・ラリー1のドライバーに起用した。今回エントリーする中では、ドライバーズ選手権最上位につけるカッレ・ロバンペラと、前回(2020年)のラリースウェーデンウイナー、エルフィン・エバンスも、トヨタのマニュファクチャラーズ選手権ポイント獲得を目指す。2018年にスウェーデンで衝撃のWRC2優勝を飾った勝田貴元も、GRヤリス・ラリー1でエントリーする。

開幕戦モンテカルロでは、セバスチャン・ローブがラリー1時代初の優勝をマークしたMスポーツ・フォードも、今回はローブが不在。モンテカルロを3位でフィニッシュし、チームをマニュファクチャラーズ選手権首位に立たせることに貢献したクレイグ・ブリーンが、ガス・グリーンスミス、アドリアン・フルモーとともにチームを牽引する。

一方、開幕戦で苦戦を強いられたヒョンデは、前戦と同じティエリー・ヌービル、オィット・タナック、オリバー・ソルベルグというラインナップで巻き返しを図る。20歳のソルベルグにとって、ワークスドライバーとして迎える初の母国ラリーとなる。

■サポートカテゴリー
ラリー2マシン対象のWRC2は、スウェーデンでもチームズ、ドライバーズ、コ・ドライバーズに加えて、ジュニアドライバー、ジュニアコ・ドライバー、マスターズカップ(1972年1月1日以前生まれ)が設定される。

ディフェンディングチャンピオンのアンドレアス・ミケルセンは開幕戦モンテカルロで優勝をマークして好調な滑り出し。シュコダ・ファビア・ラリー2 Evoを走らせるトクスポーツのチームメイト、ニコライ・グリアジンはWRC2ジュニアで好走を披露した。ライバルに挙げられるのは、フィンランドのエミル・リンドホルム。今戦から今季のWRC2活動を始動させるMスポーツ・フォードは、ヤリ・フッツネンに加え、スウェーデンのマティアス・エディエルソンをフォード・フィエスタ・ラリー2 MkIIのドライバーに起用する。マスターズには、マウロ・ミーレ、マイケル・スロウロウがエントリーしている。

ラリースウェーデンでは、今季のジュニアWRCが開幕。選手権史上初めて、4WDマシンのラリー3車両によるワンメイクとなる。8人の若きドライバーたちは、フォード・フィエスタ・ラリー3にピレリタイヤという統一の仕様でシーズンを戦う。

■ラリールート

Toyota Gazoo Racing WRT

ラリーは2月24日木曜日、ウメオの中心地で公式にスタートを迎える。競技は金曜日から始まり、この日はウメオの北部の3SSを2ループした後、サービスパークに近いレッド・バーン・アリーナでの5.53kmのスプリントステージでこの日を締めくくる。土曜日は当初、4SSを2ループするルートが予定されていたが、うち1本の農道が気候の影響を受けてトナカイの移動が発生したため使用が不可能となり、キャンセル。3SSの2ループとなる。日曜日は2SSを2ループする4本が設定されており、14.23kmのSarsjoliden、2回目の走行はパワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2022年2月24-27日
サービスパーク設置場所:ウメオ
総走行距離:1223.22km
総ステージ走行距離:264.81km(SS比率21.6%)
総SS数:17

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3
JWRC

■マニュファクチャラーズ選手権ノミネートドライバー
[トヨタ・ガズーレーシングWRT]
カッレ・ロバンペラ(#69)
エルフィン・エバンス(#33)
エサペッカ・ラッピ(#4)

[ヒョンデ・シェル・モビスWRT]
ティエリー・ヌービル(#11)
オィット・タナック(#8)
オリバー・ソルベルグ(#2)

[Mスポーツ・フォードWRT]
クレイグ・ブリーン(#42)
ガス・グリーンスミス(#44)
アドリアン・フルモー(#16)

■2020年ラリースウェーデン最終結果
1 E.エバンス/S.マーティン(トヨタ・ヤリスWRC) 1:11:43.1
2 O.タナック/M.ヤルベオヤ(ヒョンデi20クーペWRC) +12.7
3 K.ロバンペラ/J.ハルットゥネン(トヨタ・ヤリスWRC) +20.2
*2021年は新型コロナウイルス感染流行の影響で開催キャンセル

■近年のウイナー
2019年 O.タナック/M.ヤルベオヤ(トヨタ・ヤリスWRC)
2018年 T.ヌービル/N.ジルスール(ヒョンデi20クーペWRC)
2017年 J-M.ラトバラ/M.アンティラ(トヨタ・ヤリスWRC)
2016年 S.オジエ/J.イングラシア(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)
2015年 S.オジエ/J.イングラシア(フォルクスワーゲン・ポロR WRC)



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