WRCラリースウェーデンのジュニアWRCは、ジョン・アームストロングがラウリ・ヨーナとの激戦を制した優勝を飾った。
このラリースウェーデンでシーズン開幕を迎えた今季のジュニアWRCは、選手権史上初めて、4WDマシンでのワンメイクシリーズとなった。Mスポーツ・ポーランド製のフォード・フィエスタ・ラリー3にピレリタイヤという統一仕様で、今季は8人の若手ドライバーがノミネート。スウェーデンには6人がエントリーした。
序盤は2021年のジュニアWRC王者、サミ・パヤリとロベルト・ビルベスが上位に立ったが、この両者が金曜日のうちにリタイア。その後はアームストロングとヨーナの一騎打ちとなった。金曜日を終えた時点で首位に立ったのはヨーナだったが、土曜日はアームストロングも追い上げ、この日の間に3度も首位が入れ替わる激しい攻防を繰り広げた。この日は、アームストロングが3.5秒のアドバンテージを握って、日曜日を迎えた。
この最終日も、いきなりヨーナがチャージをかけて首位を奪還するが、ラスト2本目でアームストロングの猛追に遭い、再び2番手に後退。ヨーナは3秒差を追いかけて最終ステージを迎えるが、詰められたのは0.3秒のみ。残り2.7秒差を守り切ったアームストロングが優勝を手にした。
「信じられないよ」と興奮気味に語るアームストロングは、昨年のジュニアWRCでもシリーズ2位に入った成長株だ。
「2カ月前には、このイベントに参戦していることさえ考えていなかった。スタートラインにたって、プレイベントテストもなしに優勝できたなんて、クレイジーだ。ポディウムに上がれれば上々の結果だと思っていたのに」
ヨーナは2位でフィニッシュ。モータースポーツ・アイルランド・ラリーアカデミーのウィリアム・クレイトンは2分以上遅れたものの、ポディウムに上がった。ケニアからの参戦で注目を集めたマクレー・キマチは4位でのフィニッシュを飾った。
一方、金曜日に悔しいデイリタイアを喫したパヤリは、再スタートして首位から50分近く遅れてのフィニッシュとなったが、ステージウインを連取するなど持ち前の速さを存分にアピールした。おなじくビルベスも再スタート後にラリーを走り切っている。
WRCラリースウェーデン ジュニアWRC最終結果
1 J.アームストロング(アイルランド) 2:24:31.1
2 L.ヨーナ(フィンランド) +2.7
3 W.クレイトン(アイルランド) +2:22.5
4 M.キマチ(ケニア) +47:24.2
5 S.パヤリ(フィンランド) +49:28.4
6 R.ビルベス(エストニア) +1:00:34.3