トヨタのWRCチームに復帰したエサペッカ・ラッピは、今季がWRCトップクラスに挑む“ラストチャンス”だと捉えているようだ。
現在31歳のラッピは、2020年いっぱいでMスポーツ・フォードを離れて以来、1年以上、WRCトップクラスでの参戦から離れていたが、トヨタ復帰後の初参戦となった2月のWRCラリースウェーデンで3位フィニッシュを飾った。今季はセバスチャン・オジエとトヨタGRヤリス・ラリー1をシェアするラッピは、現時点でキャリア唯一のWRC優勝をトヨタでマークしている(2017年フィンランド)。昨年のラッピは、WRCに3戦出場。アークティック・ラリーフィンランドとポルトガルではWRC2で圧勝、秋のラリーフィンランドではプライベーターとしてヤリスWRCを駆り、4位に食い込んでいる。これらのイベントの間は母国フィンランドで活動し、将来の去就を見極めていた。本人も認めているようにラリーで大きな結果こそ残せてはいないが、トヨタに復帰したことで2度目のチャンスを与えられたと考えている。
「ラリーでは、もう多くの経験を積んできた」とラッピ。
「自分ができることは示せたと思うし、(自分のスピードを)証明するかどうかという話ではない。12カ月前に自分が置かれていた立場を考えれば、今の自分の立場はクレイジーな話だよ。こんな短い間にね。自分にとっては2度目のチャンスだし、最後のチャンスなんじゃないかと思っている」
今回、彼が決意したことのひとつは、「物事を前向きに考える」ことだという。
「あまり調子に乗りすぎるとプレッシャーを抱えることにもなり、事態は難しくなってしまう」とラッピ。
「一番は、冷静を保つこと。去年の経験は役に立った。今は、とにかくラリーを楽しみたいと思っている。パンデミックで1年半近くは家にいたのではないかと思うが、おかげでラリー以外の生活を理解できるようになった。ラリーは自分の情熱であり自分にとって大切なものではあるが、人生にはほかにも大切なことがある。家族も、同じようにとても大切なんだ」
「今は、とてもうまくバランスがとれているし、頭の中ではいい感じになっている。この2度目のチャンスを思い切り楽しむよ」