ハイブリッドの新規定ラリー1マシンが導入された今季のWRCで初のフルターマックラリーとなるWRC第3戦ラリークロアチア(4月21〜24日)に、ヒョンデはティエリー・ヌービル、オィット・タナック、オリバー・ソルベルグと、ワークスチームでは唯一3戦連続でドライバーズラインナップを変更せずに挑む。
マニュファクチャラーズタイトル奪還を目指して挑む今季のWRCでは、ここまで優勝をマークしていないヒョンデ。2カ月近くのブレイクを挟んで迎えるこのクロアチアで、巻き返しを図りたいところだ。チームはクロアチアで3日間のプレイベントテストを実施。チャレンジングなクロアチアのターマックステージで、できる限り早くリズムをつかみ、トップ争いに食い込んでいくことを目指す。
前戦スウェーデンでは、ヒョンデi20 Nラリー1に初めてのポディウムフィニッシュを献上したヌービルは、このクロアチアでもトップリザルトを狙う。
「クロアチアラリーは、グリップがかなり低くステージの性格もとても厳しい、非常にチャレンジングなイベント。ブラインドコーナー、クレスト、ジャンプ、インカットが多く、あっという間に道がダーティになることもあり、非常にナローでもある」とヌービルはクロアチアの難しさを語る。
「昨年は天気が良くてコンディションもかなりドライとラッキーだったが、それでもかなり気温が低かった。間違いなく試練がたくさんあるし、今回もトリッキーなコンディションに直面することもあるだろう。特に今回は新しいマシンだ。でも、自分はあの路面は走りやすさを感じる。昨年はとても楽しめたラリーなので、楽しみにしている」
一方、今季は厳しいスタートとなっているタナックは、昨年のクロアチアでは4位フィニッシュを果たしており、今季初のポディウムフィニッシュを目指す。
「昨年の初めてのクロアチアラリー参戦は、見た目よりもグリップがすごく低くて、予想以上に厳しかった。路面変化や道の基本的な性格もドライビングするのがかなりチャレンジングで、ターマックでは通常あまりないクレストやジャンプが多い。2021年は走りこなすのがとても大変だったが、今はこのラリーの経験があり予想もできるので、今年はもう少し楽しめると思っている」とタナックは語る。
ソルベルグにとっては、今回が初めてのクロアチア参戦となり、新型マシンでの自身の成長を続けることに専念していく。
「昨年のクロアチアラリーは、とても素晴らしいイベントのように見えた。初めてあそこに行くことにとてもワクワクしている。美しい国だし、非常にトリッキーなのは承知しているが素晴らしいターマックラリーだと思う」とソルベルグ。
「道はあまりグリップがないが、個人的にはちょっとスリッパリーなターマックが好きなので自分としてはハッピー。チームメイトとは違って、自分はあそこで走ったことがないのでどんなイベントになるか予想は難しい。自分的には、ペースを気にするよりも経験をたくさん積むことが重要。とにかく走りながら楽しんで、結果を待つ」