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WRCクロアチア:相次ぐペナルティ裁定、エバンス車のオンボードカメラ接続ミスでチームに罰金

©Toyota Gazoo Racing WRT

開催中のWRC第3戦クロアチアラリーでは、上位コンペティターにペナルティ裁定が相次いでいる。

トヨタのエルフィン・エバンスは、2日目のSS9でオンボードカメラのシステムがリモートスタートボタンに反応しなかった。その後のメディアゾーンでマシンを調査したところ、メインのパワーコネクターが外れていたことが発覚した。このことがFIA世界ラリー選手権競技規則18.1.6および18.1.1に抵触しているとして、トヨタ・ガズーレーシングWRTには1万5000ユーロ(約208万円)の罰金が科された。うち1万ユーロ(約139万円)は、2022年シーズンのWRCイベントにおいて今後同様の違反(ラリー中のライブカメラシステムの妨害)を行わないことを条件に、執行猶予が適用された。

審査委員会の聴聞に出席したチームのスポーティングディレクター、カイ・リンドストロームは、配線が外れていたことについて、金曜日夜のサービスでの作業中にカメラのケーブルを外した後、メカニックがつなぎ直すのを忘れたと説明し、人的ミスにより発生したことを謝罪。裁定書では、有料サービスのWRC+でライブ配信を行っているWRCプロモーターが、ケーブルが外れていたことで選手権の有力コンペティターであるエバンス車のオンボード画像が4ステージにわたり録画されなかったことに言及。またFIAとしても、起こりうる不測の事態を記録することができず、さらにWRCの商業的権利にも悪影響を及ぼしたとして、この案件の重要性を示している。

また、SS9でコースオフし、リタイアしたヒョンデのオリバー・ソルベルグは、後続車に対してOKサインの表示も、手によるサインも示さなかったとして、報告されている。この件についてソルベルグとコ・ドライバーのエリオット・エドモンソンは、アクシデントの直後は煙だらけになったことから、まずその場から離れることしか考えられず、その後、OKサインを出さないままになってしまったと説明した。しかし、エドモンソンは、11号車(ティエリー・ヌービル)が現場に近づいた時、親指を立てて見せたと証言。オンボードカメラの映像でもそのことが確認された。これにより、ソルベルグ/エドモンソンと、ヌービル/マルティン・ウィダグについてもペナルティなどは科せられなかった。

シュコダ・ファビア・ラリー2 Evoで参戦中の福永修は、デイ1のSS1でデイリタイアを喫していたが、その後パルクフェルメに入らず、自チームのサービスエリアに直行して修復作業を行ったことなどが報告された。デイ2走行中に行われた聴聞に、代理として出席したヤノス・プスカジは、金曜日のSS1でリタイアした後、マシンを牽引して自チームのサービスエリアに直行したこと、さらにクルーの言葉の問題もあり、クルマの整備を始める前にマーシャルと車検員に報告を行わなかったことを説明。マシンのフロントがひどく損傷していたため、メカニックがすべてのパーツを取り外し、FIAがシーリングしたポップオフバルブも取り外したが、FIAの車検員に事前の許可を得るのを忘れていたと弁明した。

規則では、シーリングされた部品の変更は競技者が通知を行わなければならず、その通知はそのパーツの交換前に行わなければならない(FIA車検員の承認がない限り、ラリー終了まで部品はシーリングされたままでなければならない)。

審査委員会はクルーのWRC参戦が今回が初めてであることを考慮し情状酌量を与えたが、今後、同様の違反に対しこのような裁定が下されるものではないとしたうえで、今回はコンペティターに対し戒告と1000ユーロ(14万円)の罰金が科された。



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