WRC第3戦クロアチアラリー(ターマック)、WRC2はPHスポールのヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)が圧勝。自身初のWRC2優勝を、スタートからフィニッシュまで首位を譲らない完全勝利で決めた。
ラリーを快調に滑り出した2021年のWRC3チャンピオンのロッセルは、ライバルたちにトラブルが続出するのを尻目に初日を終えた時点で36.3秒のリードを築いた。大雨とぬかるみでタイヤにダメージを負う危険性が高まったデイ2も、順調に走行。2番手で追うニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)との差を35.1秒に収めて最終日を迎えた。
最終2本目のSS19で強い雨の中でタイヤチョイスを誤ったグリアジンが後退すると、ロッセルの勝利はほぼ確実に。パワーステージでは悠々とペースをコントロールして堅実に4番手タイムでフィニッシュし、2位のカエタン・カエタノビッチ(ファビア・ラリー2 Evo)に1分0秒2差をつけて優勝。選手権争いでは、今回出場していない首位のアンドレアス・ミケルセンに15ポイント差の2番手に浮上した。
「モンテカルロの後、チームと必死に取り組んできた。この勝利はチームのためのもの」とロッセル。
「一番重要なことは、ここで勝つことだったと思う。目標はもちろん選手権を制することだが、先は長い。2度目のWRC2参戦で完璧な勝利だ」
2021年のWRC3選手権でロッセルに続く2位で終わっているカエタノビッチは、ロッセル同様、マシントラブルを避け切りグリアジンをかわしたが、再びロッセルの後塵を拝する2位フィニッシュとなった。
エミル・リンドホルム(ファビア・ラリー2 Evo)は、初日最初のループでインターコムのトラブルに見舞われ出鼻をくじかれた形になったが、そこから猛烈に追い上げ、SS19では総合でセカンドベストタイムをたたき出す好走も披露。パワーステージではWRC2のトップタイムをマークするだけでなく総合でも5番手に食い込み、WRC選手権でのパワーステージポイントも獲得した。リンドホルムは、WRC2ジュニアではトップフィニッシュとなった。
グリアジンは最終的に、リンドホルムに36.6秒遅れの4位でフィニッシュ。クリス・イングラム(ファビア・ラリー2 Evo)が5位で続いた。イングラムはSS19で総合3番手タイムをマークしたが、金曜日のパンクとターボトラブルによる遅れが響いた。ステファン・ルフェーブルとエリック・カミリ、C3ラリー2同士の6位争いは、最終ステージでルフェーブルが逆転。両者ともポディウムを狙える速さを披露していたが、土曜日にパンクによりタイムをロスした。
Mスポーツ・フォードのヤリ・フッツネン(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII)は、SS7でコースオフを喫し、ポイントを逃した。またゲオルグ・リンナマエ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)もデイ1でストップした。
WRCクロアチア WRC2部門最終結果
1 Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) 2:58:22.5
2 K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:00.2
3 E.リンドホルム(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:10.9
4 N.グリアジン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +1:47.5
5 C.イングラム(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +2:32.7
6 S.ルフェーブル(シトロエンC3ラリー2) +3:18.0
7 E.カミリ(シトロエンC3ラリー2) +3:20.9
8 E.カイス(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII) +6:02.8