梅本まどか選手に「WRC10 FIA世界ラリー選手権」のお話をうかがいました! – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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梅本まどか選手に「WRC10 FIA世界ラリー選手権」のお話をうかがいました!

©Hiroyuki Takii

4月21日発売のNintendo Switch用ソフト「WRC10 FIA世界ラリー選手権」で、チュートリアルのナレーションを担当している梅本まどか選手に、ゲームの印象やポイントなどをインタビューしました! さらに今季自身が参戦する全日本ラリー選手権JN-1クラスの印象、そして今後のプランなどについて語ってもらいました。


──今回初めてSwitch版をプレイしたということでしたが、まずは印象を聞かせてください。
「最初はコントローラーの動きとか、曲がるのがすごい難しいなっていう印象ですね。でもSwitchは画面が大きく見やすいので、運転するのが楽しいです。私がさっき3回やったなかでも5分、4分、3分って速くなったように、慣れればどんどんタイムを縮められる達成感がありますね。持ち運びができるSwitch版は気軽にパッとできますし、隙間の時間でコツコツ遊べるのがいいですね。ちょっと時間があるから少しだけやろうっていう遊び方もできるので、そういう楽しみ方にはすごく合ってるんだなって思いました」

──コ・ドライバーの視点でリアルだと思った部分はありますか?
「実際のラリーでも前の車両がクラッシュしたり、トラブルで止まったりしていることがありますが、それが再現されているあたりはリアルですね。ペースノートにはない事柄にどこまで対応できるか、という点もラリーの面白さではあるので、周りを見て声を聞きながら、五感を研ぎ澄ましてトライできるのは面白いかなと思います」

──これからプレイする方にアドバイスをお願いします。
「実戦でペースノートを聞きながら走るのって、実は相当難しいんですが、WRC10なら画面の上にも表示されていますし、初めての方でも理解しやすいと思います。リプレイもありますし、たとえば『タイトな時は操作に集中してしまうからノートを聞き逃してるんだ』というように、不得意だなと思う部分を克服できる要素がたくさん詰まっています。実戦でもコーナーが続きすぎると分からなくなっちゃったりすることが結構あって、そのたびに読み直すんですが、リプレイで自分の苦手なところを分析できるのはすごくいいなと思いました」

──反復練習ができるというのは大きいですね。
「ちゃんとペースノートを聞いて走ることができるようになると、タイムも上がっていくと思います。ゲームなので、一番いいタイミングで読んでくれていると思いますし、それに対応できれば、しっかりと聞けていることになると思います」

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──道がイメージできるようになる、ということでしょうか。
「そうですね。ペースノートを聞いて道をイメージできないと走れないって言われていますし。コ・ドライバーも、ペースノートを読む時には、ただ読んでいるだけじゃなくて、道をイメージしながら読むんですよね。なので、ドライバーとコ・ドライバーのイメージがリンクしないとタイムが出ないと思うんです。全部がマッチした時に一番いいスピードが出ますね。そこを目指して頑張ってもらえれば。なかなか大変ですが、それがラリーの楽しみだし、達成感に繋がるところなので、ぜひチャレンジしてもらいたいですね」

──Switch版のWRC10ではチュートリアルの音声を担当されていますが、収録の裏話などはありますか?
「ちょっとイントネーションに苦労しました。名古屋弁がすごくて(笑)。『WRC』という単語も、長いからどこで抑揚をつけようとか……何度も繰り返して最終的にディレクターさんもどれが正しいのか分からなくなっちゃったり。ゲームでは色々な方に知ってもらいたいところなので標準語の発音に合わせています。でも、色々なオンボードカメラの映像では選手ごとに個性が出ていて、そうしたところも面白いですよね」

Jun Uruno

──梅本選手は全日本ラリー選手権第2戦の唐津でトップクラスのJN-1にデビューしました。クルマはWELLPINE MOTORSPORTのGRヤリスですね。
「ついにデビューしちゃいました。クルマのスピードは全然違いますね。GRヤリスはシート合わせだけした状態で、唐津のSSで初めてアタックしたところに乗った、みたいな。色々調整しながら、SSごとにタイムも上がっていきました。あのクルマは今後ずっと使っていく予定なので、壊さないようにテストを重ねて仕上げていく方向です」

──ペースノートの作り方など、JN-1クラスで違う部分はありますか?
「やっぱりスピードが速いほどリスクはありますし、ペースノートの精度を高めていかなきゃいけないと感じます。ただ、車両から伝わるものが増えてきて、どの部分が動いてるかっていうのも分かりやすい。このゲームではコーナーの曲率を表す数字は『6』までですが、たとえば『8』や『9』といった緩いコーナーをコーナーとして取らずに直進としてとらえられたり、ペースノートの作り方にもメリハリがついた印象ですね」

──JN-1クラスでそのほかに違いを感じる部分はありますか。
「今までは走行順も後ろの方だったので、クラッシュした車両がいるなど事前の情報を得られたこともありますし、路面も、前のクルマのラインなどが蓄積されたうえで走ることができました。JN-1クラスで自分たちが最初の方で走るとなると、そういった情報もないので、緊張しましたね」

──この後のシーズンのプランを聞かせてください。
「全日本ラリーは6月のモントレーに参戦して、あとはラリージャパンに向けて準備をするという予定です。当初は海外ラリー参戦という目標もありましたが、新型コロナウイルス禍ということもあるので、ラリージャパンを目標にして全日本ラリーで経験を積んで……ってやっていたらいつのまにかJN-1に出ていました。すごく楽しいです。次も完走目指して頑張ります」

Jun Uruno


──モントレーも20km近いSSがありますが、そのあたりはどうでしょう。
「モントレーは次で2回目なんですが、体力に自信はありますし、長距離SSは嫌いじゃないです。やっぱりデータがないと、走ることもそうですけどセッティングも難しいと思うので、そこを頑張っていきたいですね」

──徐々に全日本ラリー選手権にも観客の方が戻ってくるイベントが増えています。そういう意味ではWRC10で興味を持って、実際に観に来てもらえたらうれしいですね。
「そうですね。実際に観てもらえると、『あーなるほど、こんなことを実際にやってるんだ』みたいな雰囲気は、より伝わるんじゃないかなと思います。ドライバーやクルマによってブレーキのポイントや音が違っていうところも楽しんでもらえればなと思います。観戦ができるようになったら、ぜひ応援に来ていただきたいですね」

──最後に、WRC10で初めてラリーに触れる方にコメントをお願いします。
「ラリーは最近テレビでやるようにもなりましたし、ラリージャパンの認知度も上がっていると思うんですが、どうしても『ちょっと難しそう』っていうイメージがあると思うんです。でも、カッコいいクルマを走らせるゲームなんだっていう気軽な感覚で始めてもらえれば、絶対に楽しさや良さが分かると思います。色々な国の景色が綺麗ですし、やっていくうちに分かることなども増えていきます。難しそうというイメージよりも、まずは始めてみてほしいですね」

『WRC10 FIA世界ラリー選手権』梅本まどか選手の解説動画を公開しました
https://www.rallyplus.net/85811



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