5月19〜22日に行われるWRC第4戦ラリーポルトガルでは、本拠地マトジニョスでシリーズ50周年を記念したイベントを5日間にわたって開催する。これまでのWRCチャンピオンや名マシンが集結する予定。エクポノールのサービスパークにはヒストリックマシンが展示され、ラリー会期中はSSでデモンストレーション走行を行うという非常にレアな光景も目にすることができるという。
このイベントに参加するWRC王者には、セバスチャン・オジエ、セバスチャン・ローブ、バルター・ロール、アリ・バタネン、ミキ・ビアジオン、マーカス・グロンホルム、ペター・ソルベルグ、オィット・タナックの名前が挙がっており、全員の通算タイトル獲得数は計28に及ぶという豪華な顔ぶれ。さらにコ・ドライバー王者も、現在FIAでスポーツ副代表を務めるロバート・レイド、ルイス・モヤ、クリスチャン・ゲイストドルファー、ティツィアノ・シビエロ、ティモ・ラウティアイネン、デレック・リンガー、デイビッド・リチャーズ、マルティン・ヤルベオヤと錚々たるメンバーが集う。
加えて、WRCレディスカップを制したルイーズ・エイトケン・ウォーカー、イゾルデ・ホルデリート、それぞれのコ・ドライバーを務めたティナ・トーナー、クリスティーヌ・ドリアノも参加。女性同士のコンビで唯一WRC戦勝利をマークしたミシェル・ムートンとファブリツィア・ポンスも登場する。
クラシックマシンは、ジャン‐クロード・アンドリュエによって史上初のWRCラリーモンテカルロを制したモデル、アルピーヌA110など30台近くを揃え、WRCの歴史を辿る。そのリストにはアウディ・クワトロS1、A1、A2、ランチア・デルタS4などグループBのマシンも含まれている。さらにランチア・ストラトス、フォード・エスコートRS1800、オペル・アスコナ400などの人気モデルや、トヨタ・カローラ、ヒュンダイi20など近年のモデルも並ぶ。クラシックマシンの多くが、WRCで活躍するカメラマン、ラインハルト・クライン率いるスロウリー・サイドウェイグループの手配によるものだ。
WRCは1973年に創設され、これまでに35カ国でラウンドが開催されている。ポルトガルは創設初年からカレンダーに含まれており、今年のラリーポルトガルは、WRC通算619回目の大会となる。今回の記念イベントは5月18日水曜日、サービスパークで行われるガラディナーで幕を開け、WRC界の著名人200人以上が出席する。19日木曜日の午後には、コインブラの街にヒストリックマシンが展示。この日夜のスーパーSSではデモンストレーション走行が行われる。20日金曜日、21日土曜日の夜には、ロウサダの市街地ステージ、ポルト‐フォズでも展示やパレードが行われる。ラリー最終日の22日日曜日には、名物ステージのファフェで、競技の1回目と2回目の走行の間にヒスリックマシンが走行。ロールが先頭のドライバーを務める。
一連の記念イベントは、WRCの商業権を有するWRCプロモーターとFIAが運営する。WRCプロモーターのマネージングディレクター、ヨナ・シーベルは「WRCのスリルと興奮の思い出は、それぞれに持っている。WRCを盛り上げてくださったみなさんにとって、またとない最高の機会となる」と語る。
「ポルトガルに来てくれるWRCのレジェンドたち、マシンたちのリストはまさに垂涎もので、WRCに関わることがどれだけ素晴らしいものなのかをあらためて感じさせてくれる。それは、ファンのみなさんにとっても同じ。往年の名車がステージを駆け抜けるその姿とサウンドは、沿道で見守る人々にゾクゾクするような記憶を呼び起こすことだろう」
FIA総裁のモハメド・ビン・スライエムは「1973年に創設されて以来、WRCは世界中のファンに向けて見ごたえのある走りを届けてきた。象徴的なマシン、伝統の開催地、伝説のドライバー、コ・ドライバーたちが、 モータースポーツの歴史にその名を残してきた」と語る。
「FIAは、スポーツ面、技術面で、常に進化を促してきた。今年もその例外ではなく、ハイブリッド技術、サステナブル燃料、先進の安全対策が導入された。選手権が50周年を迎える今こそ、これまでの目覚ましい成果を振り返り、過去と現在のチャンピオンを称え、明るい未来に目を向ける時。ラリーポルトガルでレジェンドたちが再会するのを、楽しみにしている」