ラリー1マシンにとって初のグラベルラリーとなるWRC第4戦ポルトガル(5月19〜22日)にトヨタGRヤリス・ラリー1で参戦するセバスチャン・オジエだが、このマシンでのグラベルでのパフォーマンスは未知数だと語る。
WRCを8回制している現チャンピオンのオジエは今季、WRCの参戦は限定的としている。ラリー1マシンでは1月に行われた開幕戦ラリーモンテカルロに参戦しMスポーツ・フォードのセバスチャン・ローブと激戦を展開したが、WRCの参戦はそれ以来となる。今回のポルトガルにはローブも参戦することが明らかになっており、セバスチャン対決の再戦にも注目が集まっている。
トヨタは第2戦スウェーデンおよび第3戦クロアチアで、サードカーのドライバーにエサペッカ・ラッピを起用している。そこからバトンを受け継いだオジエは先週、ポルトガルのグラベル路でテストを行ったが、1月以降のマシンの進化に感心している。
「3カ月ぶりにこのマシンに乗るのは試練だった」とオジエ。
「大きなチャレンジではないが、適切なフィーリングをつかむために努力しなくてはならなかった。家族と一緒に休暇も過ごせたので、またマシンに戻るのはひときわエキサイティング。とても新鮮な気持ちになった」
「もちろん、マシンは最後に乗った時からかなり変わっていたが、グラベルを走るのも初めてなので、新しい経験だと言える。マシンの挙動も以前のモデル(WRカー)とはかなり違うしね。自分に何ができるか、限界がどこなのかを学び直すような感じかな。今の自分のレベルがどの程度なのか予想するのは難しいが、ラリーが始まれば分かることだ」
オジエにとってポルトガルは相性のいいイベントで、過去5勝を収めている。
「自分が勝ったイベントのほとんどは南部で開催されたもの」とオジエは、ファロを拠点として開催されたラリーポルトガルでの勝利を振り返る。
「でも、北部でも1勝している。どんな展開になるのか楽しみ。いい見せ場を作ることができたらいいね。グラベルを走るのは大好きだし、選手権の中でも最も素晴らしいグラベルステージもあるからね」
今回のラリーポルトガルで、オジエは初日に8番手スタートとなる。現地の長期予報では、温暖でドライのコンディションが予想されていることから、走行順が早ければスリッパリーでサンディな道を掃除しなければならず、後方スタートの方がグリップを得られるため、オジエにとっては大きなアドバンテージになる。
「走行順が早くないのは自分にとって新しい経験。アドバンテージを得られることを願うよ」とオジエは付け加えた。