WRC第4戦ラリーポルトガル(5月19〜22日、グラベル)では、開幕戦以来となるトヨタのセバスチャン・オジエとMスポーツ・フォードのセバスチャン・ローブふたりの王者対決が再び実現する。2年以上、オジエとWRCでの仕事を続けているトヨタのテクニカル・ディレクター、トム・ファウラーは、ふたりの戦いを楽しみにしているようだ。
ファウラーはさらに、ハイブリッドのラリー1マシンにとって初めてのグラベルラリーとなるポルトガルでは、オジエがモンテカルロで優勝をさらわれた雪辱を果たすことができるとも考えている。モンテカルロでは、オジエのGRヤリス・ラリー1は、ローブのフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1に10.5秒及ばず2位でのフィニッシュとなっている。
「彼には勝てるチャンスがあると思う。何といっても、彼は“セバスチャン・オジエ”だからね」とファウラー。しかし、ローブとのライバル関係はどうなのだろうか。
「いいことだよ」とファウラー。
「彼らは、自分たちがこういうことになるのを望んでいると思う。このライバル関係は、ふたりがラウンドに参戦する理由のひとつになっているのではないかな。お互いに、また会いたいと思っているんだ。ふたりは友人同士だが、これは個人的なことではなく、次の戦いに向けてという意味が大きい」
「感覚的に見れば、最近はオジエの方がラリー1マシンに乗っている時間が長いし、最近のポルトガルにより多く参戦しているのだから、彼が優勢と言わざるを得ないだろう。ふたりが戦うのは選手権にとって素晴らしいことだし、シリーズの戦いにスパイスを加えてくれている」
もし天候がドライのままなら、今回のWRCポルトガルはオジエに有利となりそうだ。初日のオジエの走行順は8番手でローブよりも4番後となり、より砂利が掃除された道でグリップも多く得られることになる。