ERC第3戦ラリーイズラス・カナリアス(ターマック、スペイン)は5月12日木曜日に予選を終えた後、夜に本拠地のラ・パルマで1.5kmのショートステージ、SS1を走行。翌13日金曜日には3SSを2ループする6SSの走行が行われ、地元のルイス・モンゾン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)が首位に立った。
木曜日のスーパーSSではトップ10にも入れなかったモンゾンだったが、金曜日に本格的な競技ステージが始まると一気にペースをつかんだ。この日序盤はエフレン・ラレーナ(ファビア・ラリー2 Evo)とリードを争ったが、SS3ではトップに浮上。しかしこのステージは、SS1でトップタイムをマークしていたサイモン・ワグナー(ファビア・ラリー2 Evo)がクラッシュしたため、その後キャンセルとなった。
この日は灼熱の太陽がマシンとクルーを襲い、タイヤマネジメントに焦点が集まったが、56歳のベテラン、モンゾンはすべてに対応した。SS4ではこの日2本目のステージウインをマークすると、8.9秒のギャップを築いて午後のループを迎える。このループでは、ギアにマイナートラブルも抱えたが、それ以外はトラブルなしで走り切ったモンゾンは、完璧にペースをコントロールして8.4秒差をつけての首位でこの日を折り返した。
「プレッシャーは感じたが、母国のステージでファンの応援を受けながらのラリーとなったことが力になった」とモンゾン。
「自分のドライビングには満足しているし、ファンも支えてくれているのでOK。明日もこの調子で行きたいね」
2番手につけたのは、スペインのニル・ソランス(フォルクスワーゲン・ポロGTI ラリー2)。午前のループはセッティングが合わずにフロントタイヤがオーバーヒートを起こすトラブルに見舞われ、モンゾンに15.1秒遅れでサービスを迎えていた。しかしここで「根本的な」変更を行ったことで午後のループはペースを取り戻し、この日最後のSSではベストタイムもマーク。これでヨアン・ボナート(シトロエンC3 ラリー2)をかわして2番手でこの日を終えた。
この日39歳の誕生日を迎えたボナートは、ソランスに3.7秒差の3番手。この日は一貫性を保った走りを見せ、最終ステージの終わりには首位のモンゾンにリップサービスするほどの余裕を見せた。
「今日は自分の誕生日だし、モンゾンのタイムを見たら、自分もこの先、長く走れるんだなと思ったよ」とボナート。
「ルイスはすごく速いが、明日も一日が長いので楽しみだ」
チームMRFタイヤから参戦するラレーナはボナートに8.2秒遅れの4番手、カナリア島出身のエンリケ・クルス(フォード・フィエスタ・ラリー2)はSS6でベストタイムをマークする活躍を見せ、ラレーナからさらに6.7秒遅れの5番手につけている。
競技最終日となる14日土曜日も、3SSを2ループする構成。Moya-Vallesecoはイベント最長の27.42km。その後、Arucas (9.30km)、San Mateo (12.04km)と続く。San Mateoの2回目の走行はパワーステージに指定されており、ステージタイムのトップ5にボーナスポイントが与えられる。
ERCカナリアス暫定結果(レグ1終了時点)
1 L.モンゾン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) 59:48.5
2 N.ソランス(フォルクスワーゲン・ポロGTI ラリー2) +8.4
3 Y.ボナート(シトロエンC3 ラリー2) +12.1
4 E.ラレーナ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +20.3
5 E.クルス(フォード・フィエスタ・ラリー2) +27.0
6 G.ライジブ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +42.6