国内最大のラリーイベント、ラリージャパンが終了してから2週間。全日本ラリー第6戦新城ラリーが愛知県東部に位置する新城市をホームタウンに開催された。
今シーズンも全8戦で構成される全日本ラリー選手権。シリーズも後半戦を迎えた今回、チャンピオン争いも緊迫の度を増し、激しい戦いが期待された。
ラリーはハイスピードSS・Tsukudeからツイスティかつ木々に覆われ苔や湧き水などが至る所で見られるGampoまでキャラクターの極端に違うターマックステージが待ち受けるために、ドライバーにとって攻略が難しいラリーのひとつといえる。さらに24日に行なわれたレッキ中からステージ周辺は雨に見舞われ、さらに夜半から25日にかけては降雨の予報も出ていたためにドライバーやチームはタイヤ選択というファクターも背負わされることになった。
しかし、明けて25日。天気予報は外れ、青空が一面に広がる好天となった愛知県東部地方。それでもドライバーたちは1ループ目はウエット路面が残ると予想し、大方のドライバーがソフトコンパウンドのタイヤをチョイスしてサービスパークを後にした。SS1はかつては観光道路として使われていたTsukudeから。全日本ラリー選手権を連覇するにはどうしても落とせない奴田原文雄(エボX)が最速で駆け抜ける。さらにコンマ1秒差のセカンドベストに、ラリーインドネシアのキャンセルから久しぶりの全日本ラリー選手権出場となった柳澤宏至(エボX)がマークしていた。
続くSS2はこのラリー最大の難関、Gampo North。19.40kmにもおよぶテクニカルなステージはこれまでも数多くのドラマを生んできたが、今年はいきなりの波乱を演出した。SS1でラリーリーダーになった奴田原がここでトラブルに見舞われたのだ。ステージ中盤からクラッチトラブルに見舞われたマシンはここだけで4分以上遅れ、さらに次のSS3ではスタートできなくなったためにリタイアを余儀なくされた。また久ぶりのターマックラリーとなった柳澤もこのSS2でブレーキトラブルから後退。石田正史(エボX)もコースアウトで姿を消してしまったことで、難なく勝田範彦(GRBインプレッサ)がトップへと躍り出ることとなった。
これ以降、徐々にリードを広げた勝田は、2番手につけた高山仁に42秒の大差をつけてデイ1をトップで折り返す。デイ2には30km強のステージしか残されていないことから、勝田にとってはセーフティマージンともいえるリードだが、翌日も難しいステージが続くこともあり、最終サービスでは気を引き締めるコメントを残していた。
1600ccから3000ccのマシンで争われるJN3クラスは、インテグラを駆る眞貝知志がターボ4WDマシンを向こうにまわし、総合でも5位につける強さをみせてトップを快走。また、昨年までJN1.5クラスと呼ばれていた新生JN2も2位以下に2分以上の大差をつけて天野智之(ヴィッツ)が優勝へとひた走る。
総合順位
全日本ラリー選手権第6戦新城ラリー デイ1結果(トップ10)
総合順位 | クラス順位 | ドライバー/コ・ドライバー | マシン | タイム |
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1 | JN4-1 | 勝田範彦/足立さやか | スバル・インプレッサ | 1:04’46″6 |
2 | JN4-2 | 高山仁/広田沙貴子 | 三菱ランサーエボリューション | +42″0 |
3 | JN4-3 | 杉村哲郎/立久井和子 | スバル・インプレッサ | +46″9 |
4 | JN4-4 | 徳尾慶太郎/大庭正爾 | 三菱ランサーエボリューション | +2’03″2 |
5 | JN3-1 | 眞貝知志/田中直哉 | ホンダ・インテグラ | +2’05″7 |
6 | JN3-2 | 香川秀樹/船木一祥 | ホンダ・インテグラ | +3’15″1 |
7 | JN3-3 | 上原利宏/郷右近孝雄 | ホンダ・シビック | +3’15″6 |
8 | JN4-5 | 松岡孝典/木村裕介 | スバル・インプレッサ | +3’18″2 |
9 | JN3-4 | 田中伸幸/萱原敏幸 | ホンダ・インテグラ | +4’04″8 |
10 | JN4-6 | 田邉亘/松浦好晃 | 三菱ランサーエボリューション | +4’25″3 |