チェコに本社を置くシュコダは、先日アンベールした新型ラリー2車両のシュコダ・ファビアRSラリー2を、ERCの母国ラリーに投入する方向で進めている模様だ。ドライバーにはクリス・ミークの名前が浮上している。
第4世代ファビアをベースとしたファビアRSラリー2は、今季のWRC2ではアンドレアス・ミケルセン、クリス・イングラムらがドライブしている現行のファビア・ラリー2 Evoの後継として登場する。車両開発においては42歳のクリス・ミークが中心となる役目を担ってきた。
ファビアRSラリー2は7月にもFIAホモロゲーションの取得を予定しており、チェコ在住の情報筋によれば、8月26〜28日にチェコで開催されるERC、チェコラリー・ズリン(ターマック)が実戦デビューになる見通しだという。
この情報筋は「WRCの経験があるドライバーが、このラリーに起用される」としている。長年、チェコのエースドライバーとして活躍を続けているヤン・コペッキーは、ズリンでは過去9回勝利を収め、世界レベルでも参戦してきてはいるが、ドライバー候補のリストにはミークの名前も入っている模様だ。そのミークがズリンに参戦したのは2010年が最後で、この時はプジョーUKのプジョー207 S2000を駆り、総合4位でフィニッシュしている。
今年のはじめにシュコダからの参戦の見通しについて問われた際、ミークは「今でもマシンをドライブすることが好きだし、これまでもずっとそうしてきた。スポットライトの当たる場所から離れて、(テストで)エンジニアと一緒に仕事をすることも大好き。シュコダでの仕事はとても楽しいし、彼らはトップクラスのチームだ。でも、それが何かにつながるかどうかは、分からない。いまのところ何も話し合いは行っていない」と語っていた。
現在、チェコ国内選手権8連覇に向けて挑んでいるコペッキーは、これまでファビアの新型マシンのデビュー戦でステアリングを握ってきており、今回もそうなることに何の不思議もない。2014年のズリンでは、ファビアR5をコースカーとして走らせている。
シュコダは2年前にファクトリーチームを閉鎖し、新型マシンの開発とカスタマーサポートに集中することを決定しているため、いずれのドライバーが選ばれたとしてもサテライトチームからの参戦となる見込みだ。
(Graham Lister)