世界ラリー選手権第6戦サファリ・ラリーケニアは、優勝したカッレ・ロバンペラを筆頭に、2位エルフィン・エバンス、3位勝田貴元、4位セバスチャン・オジエと、トヨタが1993年のサファリ・ラリー以来29年ぶりとなる、1-2-3-4フィニッシュを果たした。
一方、前戦サルディニアでシーズン初勝利を記録したヒョンデは、ティエリー・ヌービルが一時3番手を走行していたが、SS12で立木にヒットし、大幅にタイムロス。トヨタ以外では最上位となったものの、首位から10分以上も遅れた5位でのフィニッシュとなった。それでも最終のパワーステージではベストタイムをたたき出してボーナスポイント5ポイントを持ち帰り、意地を見せた。
「できることは最大限やった。トラブルや混乱があったなかで、5位を獲得できたことは、おそらく満足すべき結果なのかもしれない。週末をとおしてタフでチャレンジングだったが、最終日も厳しい戦いになった。とにかくパワーステージを目標に走って、少なくとも最大限のポイントを持ち帰ることはできた。ただ、選手権を考えれば、厳しい状況なのは明らか。僕らクルーだけでなく、メカニックたちも一生懸命に働いてくれているのに、報われないのは本当に残念だ」と、ヌービルは波乱の週末をまとめた。
ヒョンデ勢は、サルディニアに続く2連勝が期待されていたオィット・タナックも、SS11でトランスミッショントラブルにより大きく遅れ、さらに最終日のSS18ではパワーステアリングが壊れて万事休す。パワーステージを走ることなく、タナックとしては開幕戦モンテカルロ以来のノーポイントに終わった。
「今年のサファリ・ラリーは厳しいコンディションに見舞われたこともあり、我々としてはリスクを冒さず、安全第一で臨んだ。初日はうまくいったが、残念ながら土曜日はトランスミッション、最終日はパワーステアリングにトラブルが発生した。ポイントを持ち帰ることはできなかったが、これが現実。それでもエンジニアは貴重なデータを得ることができたはずなので、次のエストニアはもっといい状態で迎えたい」
サファリを終えて、マニュファクチャラーズ選手権ではトヨタの246点に対して、ヒョンデは184点。ドライバーズ選手権でも首位のカッレ・ロバンペラの145点に対して、ランキング2位のヌービルが80点と、65点もの大差をつけられてシーズン前半を終えた。
カレンダー後半には、第7戦エストニア、第8戦フィンランドを挟んで第9戦イープル(ベルギー)と、それぞれタナック、ヌービルのホームイベントが控えており、圧倒的な強さを見せるトヨタに対して、一矢報いたいところだろう。