FIAの枠組みで行われるWRCのフル電動化が、また一歩、現実に一歩近づいたようだ。
6月29日にフランス・パリで行われたFIAのワールドモータースポーツカウンシル(WMSC)では、新カテゴリー、ラリー5eの技術規定が承認された。これは、オペル・コルサやルノー・クリオなど、エントリーレベルのラリー5車両の電動版だ。
今回の動きは、ドイツのADACオペルeラリーカップなど国内選手権ベースの電気自動車によるワンメイクシリーズを展開するメーカーからの、標準となる規定を設定することを求める声に応えたものだが、これで電動ラリーマシンによる国際シリーズが発足する可能性は出てきたと言えるだろう。
今回、FIAが承認した新規定では、バッテリー容量が60kWhを超える車両と60kWh未満の車両の2クラスに分けることを認めている。今回のWMSC会合の後、FIAは「このラリー5eは、内燃エンジンのラリー5と同様に、市販車に近い状態を目指した電気自動車ラリーカーの初のカテゴリーだ」と説明している。
一方、FIAラリーレイド選手権が2022年の投入を目指している、電動パワートレーンを使用した軽量プロトタイプカテゴリー、ハイブリッドT3 車両の提案も今回のWMSC会合で承認されている。
(Graham Lister)